竹原ピストル 映画『永い言い訳』Blu-ray・DVDリリースで、いま最も気になるこの人を直撃!
そういえばそのTシャツって…。
「本木さんが僕の名前入りのTシャツを着てくださったことがあって、じゃあ僕も、と作りました(笑)」
西川監督からも大きな刺激を得た。
「西川監督の作品では『ゆれる』と『ディア・ドクター』を拝見していました。僕がすごく好きな種類の痛みや温もりが描かれていて、その描写というか視点にとても引きつけられていました。僕は、すぐその辺にあるリアルな喜怒哀楽に目を向けている作品って好きなんですよね。西川監督はそれを鋭い視点でとらえて、ときに文章でときに映像で表すことができる人なので、僕からしたら畏怖の対象というか、恐ろしい人だなと思っていました(笑)。こっちのこともすべて見透かされているんじゃないか、駆け引きめいたやりとりは通用しない人なんだろうな、と。逆にいうと、すべてを察してくださるので、演出のやりとりは楽でしたし指示も分かりやすかったですよね」
絶賛相次ぎ、役者・竹原ピストルとしての自覚も強まったのでは。
「うーん、それは…無いですね(笑)。役者としての自負を持つにはまだまだということは、自分が一番よく分かっているんで。熊切和嘉監督の『青春☆金属バット』のときも本作もそうなんですけど、いわゆる役作りというものを自分自身でできなくて、何でもかんでも監督とのやりとりのもとでやってきたものですから。今回も、西川監督が作ってくれた陽一を夢中で演じていただけなんです。自分としては精いっぱいやりましたけど、土台は間違いなく監督が作ってくださったものですから」
一方で、西川監督が陽一の土台として竹原そのものを求めていた、とも言える。
「西川監督もそんなことをおっしゃってくださっていて、自分に何かを感じ取っていただけるというのは本当にうれしいことだと思っています。ただ、監督たちが僕の中に何を見ているのか、どこをどう気に入ってくださったのか自分ではとらえきれてなくて。なんかあるんだろうな、くらいで(笑)。その何かを見出して起用してくださっているんだと思うと本当にうれしいし、同時に、それが何なのか自覚できない自分は役者というにはまだまだなんだろうな、と。そこまで把握してコントロールするのが、その道一筋の人でしょうからね」
竹原ピストルの中にある“何か”。それは彼の歌を聞けば分かる気がする。
「この先、この登場人物たちに明るい未来が待っているかどうかは分からない
。でもそのリアルな描き方が、陽一たちと幸夫くんが過ごした日々をより輝かせるんだと思うんです。西川監督は本当のことは本当のこととして描くことができる人。僕自身も、そういう歌を歌っていきたいと思っています」(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)
発売・販売元:バンダイビジュアル
価格:DVD 3800円 Blu-ray 5200円(各税別)
原作・脚本・監督:西川美和/出演:本木雅弘、竹原ピストル、池松壮亮、黒木華、山田真歩、深津絵里他
竹原ピストルニューアルバム「PEACE OUT」発売中
初回限定盤:3300円 通常盤:2900円 (各税別)販売元:ビクターエンタテインメント