ウィンブルドンでフェデラーが単独最多8度目の優勝

カップにキスをするフェデラー(写真:Shutterstock/アフロ)

 テニスの四大大会の第3戦「ウィンブルドン選手権」の最終日(16日)に男子シングルス決勝が行われ、ロジャー・フェデラーがマリン・チリッチを6?3、6?1、6?4のストレートで破り5年ぶり8度目の優勝を果たした。

 この「8度」というのが単独最多なら、35歳という年齢も史上最年長とWの快挙となった。

 フェデラーはチリッチの高速サーブを巧みなリターンで封じ、エースを5本に抑えた。第1セットを5ゲームでブレークして主導権を握ると、チリッチに流れを譲ることなく、一気に試合を決めた。

 昨年の準決勝で敗退して以来、聖地で復活することに賭けてきた。治療のため昨年後半は休養。復帰した今季は1月の全豪オープンで四大大会通算18度目の頂点に立ち、その後は全仏などクレー(赤土)シーズンで再び休み、芝の季節に照準を合わせてきた。

 今大会はサーブ、ストロークとも抜群の切れを見せ「芝では自然に戦える」と本領を発揮。第1シードのA・マリーらが敗れる中「ビッグ4」で唯一勝ち進み、優勝まで1セットも落とさない盤石な戦いだった。

勝者・ミュラーの帰り支度をじっと待つナダル(写真:AP/アフロ)

 日本の錦織圭は3回戦でロベルト・バウティスタに4?6、6?7、6?3、3?6で敗れた。

 また今年はウィンブルドンが特別な大会であるということを改めて感じさせる出来事があった。全仏オープン王者のラファエル・ナダルは4回戦でジレ・ミュラーにまさかの敗北。ウィンブルドンでは勝者を先にコートから出すというマナーがある。大金星のミュラーは喜びのあまり、帰り支度に時間がかかってしまったのだが、先に支度を終えたナダルはじっと待ち続け、ミュラーを先にコートに出し、自らはそれに続いた。この態度に観衆はスタンディングオベーションでナダルを称えた。