【インタビュー】ナタリー・エモンズ 「トリバゴ!」のCMで話題!2018年はブレイク必至

『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド 2017』にシンガーとして出演

 今年、ホテル比較サイト「トリバゴ」のCMで一気に注目を集めたナタリー・エモンズが12月15日から渋谷のシアターオーブで上演が始まる『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド 2017』にシンガーとして出演する。2018年に大きくブレイクすることが予想される彼女にこれまでのこと、これからのことを聞いた。

(撮影・蔦野裕)

「名前までは分からない人 に“トリバゴさん!”とか言われることが増えました」
 エモンズはもともとジブリ作品をきっかけに日本に興味を持ち、2010年に来日。ユニバーサルスタジオ・ジャパンのショーに出演していた。「3年間、大阪に住んでいました。その時から仕事で日本とアメリカを行ったり来たりしていました」ということでトリバゴのCMでも流暢な日本語を披露。「あの美人は誰?」「吹き替え?」などとSNS上でも大きな話題となった。

「今年からすごく、認識されているということを気づき始めました。ある時レストランで“あっ、トリバゴの人”って言われたんです。そしてレストランの店員さんを通して“サインしてもらってもいいですか?”って。そんなことを言われたのは初めてだったので“私のサインでいいんですか? 私、普通の人ですけど”って(笑)。ちょっとびっくりしました。その後も多分、顔は分かっているけど、名前までは分からない人が多いようで “トリバゴさん!”とか言われることが増えました(笑)」

 この流暢な日本語はどうやって身に着けた? カラオケなどを利用する外国人も多いと聞くが…。

「カラオケはフリガナがあるから漢字を覚えるためにはいいですよね。私も簡単な漢字は読めるようになりました。“愛”とか“友達”とか “美しい” “綺麗”といったよく歌詞に使われているような漢字。あとは食べ物でも覚えられます。焼き鳥は完璧です。メニューで漢字があっても大丈夫です(笑)」

 焼き鳥! 食べるほうも?

「大好きです(笑)」

 ではお酒も?

「ゆず酎ハイが好きです(笑)」

 ゆずはアメリカには?

「ないと思います。ライムはあるけど、ちょっと違いますね」

 アメリカではなかった食べ物で、日本に来ておいしいと思ったものはある?

「たくさんあります! もつ鍋とか (笑)。だってもつはアメリカでは売っていないんですよ。だから最初は“それ食べるの?”って感じだったし、初めて食べた時はおいしいのかどうか分からなかったけど、食べてみたらすごくおいしかった(笑)」

 キャベツが好きでカバンの中に丸々1個入っている時もあるとか。

「本当の話です。キャベツはすごくヘルシーですよね。新鮮だしおいしい。軽くて胃もたれしない」

 なにもつけないでそのままパクパク?

「そのままでも十分おいしいけれど、やっぱりポン酢とかシソのドレッシングもおいしいと思います。ほんとにちょっとだけ味付けをするくらいがいいかもしれないですね」

 ポン酢やシソはアメリカには?

「ポン酢は多分あると思いますが、シソはまだ見たことがないですね。私が売りたいです(笑)」

 アメリカに戻ってしまうと食べられない日本の食べ物がたくさんありますね。

「ロサンゼルスでは日本の料理店があって、お寿司は食べられますけど、もつ鍋はないかな(笑)。しゃぶしゃぶもあるけど、ちょっと味が違いますね」

 日本食で好きなものは?

「やっぱりもつ鍋とか焼き鳥、ざるそばなんかが好きです。あとは和菓子も。わらび餅も好きです」

 日本人のマインドを理解するのに苦労したことってありますか?

「日本人はもし傷ついたとしても、はっきりとは言わないから、外国人は最初はそれに気づいてあげることがなかなか難しいかもしれないですね。空気を読んだりとか、誰かが傷ついているということに注意を払うということには気を使っています。例えば電車の中、たくさんの人たちが仕事で疲れていたりしますよね。そういう人がいても外国人は電車の中でも大きい声でしゃべったりします。それを見ると“みんな疲れているから静かにしてね”って言ってあげたくなる。そういう日本人の心を今はすごく分かります。でも日本人はそういうことは言わないから、そういう時にはちょっと助けたいなって思います(笑)」

 日本とアメリカのかけ橋的な存在になれそう。

「そうなれればうれしいです」

「ジブリ作品の声優のお話をいただけたらノーギャラでやります(笑)」
 今、アメリカではどういう活動を?

「STRAEという名前でシンガーソングライターとして活動しています。エレクトロニックポップミュージックというジャンルの音楽です。今は自分でパソコンを使って曲を作っています。ドラムもベースも全部パソコンでできるので作曲をするのに便利だし、私はダンスもするので、ダンスシーンにはもってこいですよね」

 影響を受けたミュージシャンは?

「エリー・ゴールディングとかLorde(ロード)。結構インディーのミュージシャンが好きなので、皆さんが知っているかは分からないんですが」

 今後も日本とアメリカをまたにかけての活動になると思うが日本ではどんな活動をしたい?

「女優として活動していきたいと思っています。すごく切ない映画とかドラマに出演したいです。すてきな物語の映画とか。どんな小さい役でもいいのでやってみたいです」

 そういった作品に出てみたいというのはジブリ作品の影響もある?

「ジブリは日本を好きになるきっかけでした。ジブリ作品は物語だけではなくてテーマ曲も好きで、いつかジブリ作品のテーマ曲を作りたいと思っていました。『借りぐらしのアリエッティ』の曲はフランス人の女の子が書いたんですが、それを知った時に“もしかしたらいつか私にもできるんじゃないか”って思いました。女優の仕事への興味は『のだめカンタービレ』といった作品を見たのがきっかけ。のだめはコメディーなんですけど、切ない感情を描く作品が日本の映画には多いように思います」

 ジブリといえば宮崎駿監督が引退を撤回し復活します。

「うれしいです。私も『思い出のマーニー』の後にジブリが解散するという話を聞いた時にすごく寂しかったんですけど、復活の話を聞いた時はうれしかったです」

 ジブリ作品の声優のお話が来てもおかしくなさそう。

「もしそんなお話がいただけたらすぐにOKします。ノーギャラでやります(笑)」

「とにかくみんな一緒に歌って踊って、自由に楽しんでください」
 今回の『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド 2017』では歌を歌う。この仕事のお話が来た時はどう思った?

「すごくうれしかった。アメリカのクリスマスがすごく好きなんです。アメリカでは家族がみんな一緒に楽しんでいる。そんな雰囲気も見に来る人にも感じてほしいと思って、楽しみにしています」

 自分の中で理想のクリスマスって?

「家族が集まって、すごく大きなパンケーキなんかを持ってきて、一緒に公園に行って散歩をして、その後はクリスマスのショーや映画を見に行く。素敵な食事をみんなで一緒に作って食べて、楽器を演奏して歌って。そんな感じですね(笑)」

 アメリカでは基本的にクリスマスは家族で過ごすもの?

「日本でいうとお正月みたいな感じです」

 日本だと恋人同士で過ごす人が多そう。

「そうなんですよね。でもデートをするなら、ディナーを食べてその後にイルミネーションを見に行ったりするのもいいと思います」

 作品を見に来るお客さんにメッセージを。

「家族や友達、カップルで来る人、一人で来る人といろいろな方がいると思うんですが、とにかくみんな一緒に楽しんでほしいです。私はクリスマスソングを歌いますから、それに合わせてぜひ一緒に歌って踊って、自由に楽しんでください」

 トリバゴのほかにも北海道のコンビニである「セイコーマート」のCMにも出演。CMでは「綺麗なお姉さん」のイメージが強いが実はボーイッシュな面もあるという。2018年はそんな意外な顔を見る機会が増えそうだ。(本紙・本吉英人)

『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2017』
【日時】12月15日(金)~25日(月)【会場】東急シアターオーブ(渋谷)【料金】全席指定 平日:S席8800円、A席5800円/土日:S席9800円、A席6800円【問い合わせ】キョードー東京(TEL:0570-550-799=オペレーター対応:平日11~18時、土日祝10~18時[公演HP]http://bcwjapan.jp/