ソフィア・コッポラ来日「またいつか日本に長く滞在したい!」
映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』のプレミア上映会が17日、都内にて行われ、来日した監督のソフィア・コッポラが登壇。第70回カンヌ国際映画祭で、女性として56年ぶりに監督賞を受賞するという快挙を果たした最新作について語った。
本作は、南北戦争期のアメリカ南部の女子寄宿学園を舞台に描かれる、美しき女性たちと一人の男が繰り広げるサスペンスフルな愛憎劇。ニコール・キッドマン、エル・ファニング、キルスティン・ダンスト、コリン・ファレルら豪華なキャストの名演と、これまでのガーリーポップなテイストを封印したかのような作調も話題を呼び、コッポラ監督の新境地として絶賛されている。
「子どものころから東京には何度も来ているし、本当に大好きな都市のひとつです」と笑顔を見せた監督。今回の作品について「あの時代のアメリカ南部の様子に関心があったのと、当時そこで暮らしていた南部の女性たちや、現代にもみられる男女の力関係を描いてみたいと思いました」と製作の理由を語った。まさに今“男女の力関係”問題が浮き彫りにされているハリウッド。監督は「近年ハリウッドでも女性監督が増えていて、さまざまな視点で映画が作られるのは素晴らしいことだと思います。ちなみに本作は、メインの男性キャストはコリン一人だけという、ちょっと珍しい作品で、撮影現場も多くの女性スタッフに支えられていました」と振り返った。
またこの日は女優の草刈民代がゲストとして登場し、監督に花束を贈呈。コッポラ作品のファンだという草刈は「言葉による説明ではなく、シーンの積み重ねによって物語を伝えていく、そこがコッポラ監督作品の個性になっていると思う」と称賛。さらに「いつかまた日本で撮影していただける可能性は?」と質問。すると監督も「まだ実際にプランは何も無いんですが、私自身はまたいつか日本に長く滞在してみたいと思っています」と笑顔で返した。
映画は2月23日に全国公開。