「バラダン」1000回記念で蝶野正洋がアナウンススクールに体験入学!?

月~木曜のMCを務める蝶野正洋(左)と阿部哲子アナ(撮影・蔦野裕)

3月21日で放送1000回迎える『バラいろダンディ』放送現場に潜入
 TOKYO MXの夜の看板番組『バラいろダンディ』が3月21日放送回で1000回を迎える。本紙では2月某日、生放送が行われているスタジオに潜入取材した。
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「オトナの夜のワイドショー」としてすっかり定着したこの番組。一家言を持つダンディ(コメンテーター)たちが歯に衣着せぬトークで巷の話題をバッサバッサと切りまくる、ただでさえ治外法権感が漂うTOKYO MXの中でも夕方の『5時に夢中!』と並ぶ刺激的な番組だ。

 この日はMCが蝶野正洋と阿部哲子、ダンディが宇多丸、玉袋筋太郎、室井佑月、ゲストにSHEILA、MCを支えるバーディに祥子という布陣。

 放送は水曜恒例の乾杯からスタート。水曜は「バラいろジャッジ」が1万5000票を超えれば視聴者に豪華プレゼントが当たるという独自のシステムなのだが、気になるテーマは「日本でもUFO対策は必要か?」というもの。このテーマに「数字いくわけねえだろ!」と宇多丸が厳しいツッコミを入れるなど番組は開始早々フルスロットル。

 この日、玉袋は放送前に自らが監修する舞台『スナック玉ちゃん』の制作発表会見があり、その足で駆け付けた。その日のニュースをランキング形式で紹介する「今夜は寝れ9」でその模様が紹介されると宇多丸から「パブじゃねえか!」と情け容赦ない突っ込みが入る。

 前週にインフルエンザで欠席した室井はその光景を見ながらシャンパンでいい気分と、スタジオでは聞きしに勝る“ここでしか見られない世界”が展開されていた。

 番組終了後にMCの蝶野と阿部アナにインタビュー。

すっかりMCが板についた感があった蝶野だったが…(撮影・蔦野裕)

蝶野「山本小鉄さんか阿部さんかっていうくらいで毎日スパルタです」
 蝶野さんは以前はコメンテーターとして出演。2017年1月から月~木のMCを務めています。

蝶野「全然違いますよね。コメンテーターのほうが大変だと思います。人と違うことを言わなければいけないし、コメンテーターのほうが言ったことに対して反響とか責任があったりするじゃないですか」

 では今のほうが楽?

蝶野「ええ、全然。だってカンペ読むだけですから」

阿部「ちょっと(笑)。それじゃどこかの大臣じゃないですか(笑)」

蝶野「あとは全部、阿部さんがフォローしてくれますから。師匠ですから」

阿部「やめてください(笑)」

 お互いの印象は?

蝶野「いや、怖いんですよ、本当に。新日本プロレスに山本小鉄さんという鬼軍曹がいらしたんですが、山本小鉄か阿部さんかっていうくらいで毎日スパルタですよ」

阿部「ずるいんですよ、蝶野さんって。スタジオの空気を読むのが本当にうまい方なので、隠れたほうがいい時は自分の存在を消すんです。体は大きいのにいなくなる(笑)。“あ、今存在を消したな”って思いますもん(笑)。それに男女問わずみんなから好かれるから、嫌われ役は全部私なんです」

蝶野「私はほかにもいろいろとテレビに出させてもらっていろいろな方を見ていますが、阿部さんの頭の回転の速さはちょっと違いますね。それに見た目がきれいじゃないですか。ここに騙されるんですよ」

阿部「ちょっと待って! 中身が汚いみたいじゃないですか(笑)」

蝶野「怖いですよ、本当に(笑)」

自由奔放なダンディ(コメンテーター)を相手に奮闘する?阿部アナ(撮影・蔦野裕)

阿部「蝶野さんはずるい。みんなから好かれるから嫌われ役は全部私」
 すっかりMCが板についた感じに見えますが…。

蝶野「でもね、ようやく1年経って、ですよ。最初の1カ月は1年くらいの長さに感じていたんです。そんなに緊張するものじゃないと思っていたけれども、2017年の1月はものすごく長く感じていました。阿部さんの顔を見たら心が折れましたもん。ちょっとでも読み間違いとかあったら…。プロデューサーやディレクターより阿部さんの顔が怖かった」

阿部「ちょっとでもって言いますけど、ちょっとどころじゃないですからね! ちょっとなら許しますよ、私だって(笑)」

蝶野「局アナの方ってほかの番組を見ていても意識が違うんですよ。下手したらプロデューサーと同じくらいのダメ出しもありますし、間違えた時に厳しいんですよ。阿部さんがその最たるもので、一緒にやる人はホント迷惑だと思いますよ」

阿部「迷惑?(笑) ちょっと!」

 阿部さんは元日本テレビですね。

阿部「今はMX局員のつもりでやっていますけどね、はい(笑)」

 とても個性的なコメンテーターが揃っていますが「もういい加減にしてくれ」って思うような方はいますか?

蝶野「そんな人ばっかりですよね」

阿部「本当にそんな人ばっかりですね」

蝶野「だってここは社会更生するための場所みたいなもんですからね(笑)」

阿部「私は村西とおるさんですね(笑)。今までに出会ったことのない…。なんでしょう…狂気を感じました。上品なんですけど、上品な中にあるクレイジーさ。でもすごく魅力的ですよ。大好きなんです。でもちょっと鳥肌が立つようなダンディーな方でした」

放送後のインタビューでもスタジオと変わらず息ぴったりの2人(撮影・蔦野裕)

蝶野「阿部さんに三歩下がってついていくだけです(笑)」
 今までで一番印象に残っている出来事は?

蝶野「プロレス界の先輩だった長州力さんとか前田日明さんが来た時は恥ずかしかったですね。同じ業界の、それまでガーガー言い合っていた人間に、カンペ読むのが精いっぱいで、それもかんじゃってるという今の突っ込みどころ満載の状態をさらすわけじゃないですか。ほかの業界の人に言われる分には“頑張ります”でいいんだけど、一緒にリングに上がって戦っていた人には…。私も長州さんには“滑舌が悪い”とか言ってきたのに、その長州さんが突っ込めるというこの関係(MCとコメンテーター)が嫌でした(笑)。コメンテーターは何でも言えますからね」

阿部「確かに(笑)」

 今後はどういう番組にしていきたいですか?

蝶野「いや、私はもう阿部さんに三歩下がってついていくだけです(笑)」

阿部「続けようとしない番組でいたいですよね。“今日でいよいよ駄目だ!”っていう毎日を送っていきたいです」

 守りに入らない。攻めていく番組?

阿部「そう。もう駄目だ、今日こそ駄目だ、みたいな気持ちで毎回やっていきたいと思います」

 ちなみに今まで“もう今日でおしまいだ”と思ったことは?

阿部「えー…。“今日辞めたい”と思うのは毎日ですね(笑)」

 この話を聞いて?

蝶野「いや、ついていくだけです(笑)」

阿部「(笑)ずるい!」

 最後に番組のファンにメッセージを。

蝶野「私くらいの世代の人たちが仕事が終わって帰ってきた時に、その日1日とかその週の話題について同世代の方たちがいろいろな考えで喋っている。このコンセプトは他の局でもありそうでないんですよね。だからちょうど私たちくらいの世代の人たちがそんなに固くならずに、ひと昔前の感覚でゆっくりと見られる番組だと思うので、ぜひ一度のぞいてみてください。美女も揃っていますので」

阿部「まさに蝶野さんがおっしゃったみたいに、ひと昔前の気持ちで見ていただきたいです。ここは治外法権だと思って、苦情とかそういうのはなしで、そっと優しく見ていてください」

 1000回目の放送では「蝶野さんのアナウンススクール体験企画」といった特別企画が用意されているとのこと。これでまた長州さんがゲストに来ても大丈夫!? (本紙・本吉英人)