山崎秀晃が復帰戦で左右田を破った中澤と対戦【6・17 K-1】
ともに丁寧な言葉遣いながらも辛辣なコメントの応酬
K-1実行委員会が4月7日、都内で会見を開き、「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~第2代フェザー級王座決定トーナメント~」(6月17日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ)のスーパーファイト4試合を発表した。
3月大会のリング上で復活宣言した山崎秀晃が現Krushスーパー・ライト級王者の中澤純と対戦する。
山崎は「K-1 WORLD GP 2016 -65kg日本代表決定トーナメント」で優勝し、「世界最強決定トーナメント」に出場したものの、ゴンナパー・ウィラサクレック戦でひざを負傷。昨年4月のゲーオ・ウィラサクレック戦で状態を悪化させ、長期欠場し手術に踏み切っていた。
中澤は第4代王者の山崎の返上による王座決定トーナメントを制し第5代Krushスーパー・ライト級王座を獲得。これをきっかけにK-1にも参戦し、3月大会では因縁の左右田泰臣を判定で破り、K-1での初勝利をあげた。
活躍時期が微妙にずれていたことでこれまで交わることのなかった2人だが、山崎の復帰戦という大舞台でこの対戦が実現した。
中澤の「先に当てる」に山崎は「一発ももらわない」
中澤は「僕がKrushに出た時から63kgのチャンピオンでずっと輝いていた選手。以前に会見で“山崎選手とたりたい”と言っていた。なかなかすれ違ってしまって戦えなかったんですが、今このタイミングで戦えるということが一番ホットなんじゃないかと思う。すごく楽しみ」と話せば、山崎も「Krushで63kg、65kg(のベルトを)取って、K-1では65kgのトーナメントを取らせてもらって、65kgでもまだまだ通用するという自負はある。僕がベルトを返上した後に中澤選手が65kgを引っ張っていってくれていたので、いつかはやりたいと思っていた。今回、こういうカードが組まれて楽しみ。バチバチの殴り合いをしましょう」と呼びかけた。
互いの印象を問われると山崎は「正直、左右田選手に中澤選手はやられるんじゃないかと予想していた。しっかり勝つところで勝って上がって来られたんだと思うが、大和選手には1Rでやられてしまったので、中澤選手には悪いんですが、僕はここでは負けているわけにはいかない。踏み台ではないですが、軽くクリアさせていただきます」とコメント。
また、中澤が「僕は今でも成長中。前回の試合が終わってもまだ強くなっているので、そういうときこそ、人って足元をすくわれるので、僕は死ぬ気で倒しに行きますよ。僕は映像映えしないから、あまり派手な試合をしていないから、多分山崎選手も“いけるな”と思っているかもしれませんけど、意外と向き合うとみんな“やりにくい”と言っているので、試合は僕が勝ちます。(山崎選手は)めちゃくちゃパンチが強いので、食らうと倒れちゃうんで先に当ててやろうかなと思っています」と言うと山崎は「言っちゃいますが、中澤選手のパンチを一発ももらわないで、僕がKO勝ちをすると思います」と言葉遣いは丁寧ながらも辛辣なコメントを連発した。
そして京都出身の山崎は「最終目標は野入選手」としたうえで宮田充K-1プロデューサーに「12月に大阪でお願いします」とタイトル戦をアピールした。
功也「一発当たったら倒れるようなスリルのある試合ができそう」
3月大会でライト級王者となった卜部功也がブラック・ドラゴンと対戦する。
ドラゴンはかつて士魂村上塾に所属し、2011年には士道館杯争奪ストロングオープントーナメント全日本大会で優勝の強豪。デビュー当時の木村“フィリップ”ミノルと対戦経験もある選手。
卜部は「チャンピオンになって最初の試合。気を抜かずに集中して頑張りたい。(ドラゴン選手は)とりあえず、いかつい。試合を見たら好戦的。気持ちの弱い選手とはやりたくなかった。ハートが強くて前に出てくるようなK-1向きな選手と戦いたかった。一発当たったら倒れるようなそういうスリルのある試合ができると思っている」と話した。
今回はノンタイトル戦だが、今後のタイトルマッチについては「相手は選ばないし、どのタイミングでもどの選手ともやります」とは言うものの「今度、(佐々木)大蔵が(ゴンナパーと)やる。もちろん大蔵に勝ってほしいですけど、それとは別としてリベンジしたいという気持ちはずっと持っていたので、どこかでは絶対にやりたい」とトーナメントで苦杯を喫したゴンナパーへのリベンジについては近い将来の実現を希望した。
早くも木村vsバダザリアンが実現
ウェルター級のスーパーファイトでは木村“フィリップ”ミノルvsメルシック・バダザリアンの注目の一戦が実現した。
2人はともに3月大会に出場。ド派手なKO勝利で会場を沸かせた木村“フィリップ”ミノルに対し、バザダリアンは久保優太の王座に挑戦したものの、久保のテクニックの前に判定負け。しかしその強烈な打撃で久保を再三追い込んだ。
木村は「バザダリアン選手と試合ができることになってすごくうれしくて気合が入っている。一瞬でスイッチが入った。久保選手との試合で彼は負けたんですが、ああいう展開になるのはキャリアの問題。彼の浅いキャリアでもここまでやっているのは天才的な選手だと思う。格闘技は相性だから、久保選手とはああなったけど俺とやったらハードな試合になると思う。戦争のつもりで臨みたい。最後に打ち勝つのは自分。やっと自分と対抗できるやばい奴が来たという感じ」とバザダリアンとの対戦について話した。
前戦後に「自分にとってベルトなんてものはいらないんじゃないか」といった発言をしていた木村だが、この日も「もちろんK-1ファイターとしてベルトを狙うのは当たり前だが、僕はそれ以上の存在でいていいのかなと思う。最近盛り上がってきて、トラッシュトークなども会見では見るが、試合を盛り上げることはみんなできるが、K-1の行く末というか道に光を照らすことができるのはごくわずかなファイターしかいない。自分もその中にいると思うので、ベルト以上に自分の存在感やK-1という大会をでかくすることが僕の使命だと思う。それができた先にベルトがあると思う」などと話した。
上原が昨年11月以来の復帰戦でMMA戦士・加藤と対戦
昨年11月に行われた「初代ヘビー級王座決定トーナメント」で準決勝敗退に終わった上原誠が加藤久輝相手に復帰戦に臨む。
加藤は米国の総合格闘技団体「bellator」で活躍する総合格闘家。キックルールではWBCムエタイ世界王者ジョー・シリングと対戦し、KO勝ちの実績を持つ。
上原は昨年のトーナメント終了後の会見で引退をほのめかす発言をしていたが、今回、加藤との対戦をオファーされ、復帰に心が大きく動いたという。
なおこの試合はヘビー級ではあるが、加藤は通常80キロ代後半で試合をしていることから最近では90キロ台後半で試合をしている上原が90kgまで絞り、-90kg契約での戦いとなる。
この対戦について加藤は「格闘技をやっていない人でもみんなが知っているのがK-1。引退する前に一度そういう場所で戦ってみたかった。いきなり日本のヘビー級のエースとの対戦。僕と同じようなフィジカルが強いハードパンチャー。試合は楽しい分かりやすい激しい試合になると思う。わくわくしている」、上原は「加藤選手とはいつかやりたいと思っていた。本当に強い選手なので、しっかりと倒したい加藤選手のことは3年ほど前から意識していた」とそれぞれ話した。
上原は11月の試合後の会見で引退をほのめかす発言をしていたが「今回の90kgというのは僕のために作ってくれたものだと思っている。なのでここで万が一、僕がこけるようなことがあれば、まあ本当にそういうことになってしまうのかなと考えています」と背水の陣を敷いての出陣をにおわせた。