劇団 短距離男道ミサイル20発目『母さん、たぶん俺ら、人間失格だわ』

　2011年に東日本大震災に見舞われた仙台で、「震災後の仙台、そして日本を励ましたい、これからの復興に向け、自分たちに出来ることは何かないだろうか」と考えた仙台在住の若手俳優を中心に2011年4月に結成されたのがこの「劇団 短距離男道ミサイル」。結成当初から児童館や幼稚園といった場所に赴き子供も楽しめるプログラムを上演するなど、「東北を元気にする」活動を続けてきた。

　徐々に公演の規模も大きくなり、2014年には劇団化。2017年にはキャンピングカーで真冬の東北を共同生活をしながら巡回する東北六県二十一都市弾丸ツアーを敢行し、これが「CoRich舞台芸術まつり！2017春」でグランプリを受賞。一気に東京でも知られる存在となった。

　彼らの作風は東北に根差した身体性、男性性を基調とし、ストーリーよりも一瞬一瞬の爆発力・瞬発力を体現するような特異なスタイル。「テンションとエモーションにおいて世界レベル」と高い評価を得ている。

　今回はグランプリ受賞作をひっさげての東京上陸。同じ東北が生んだ偉大な作家・太宰治の遺書ともいえる「人間失格」になぞらえて描かれる劇団員たちの自伝的演劇となっている。