あらゆるものをのみこんだものが舞台芸術である 庭劇団ペニノ『蛸入道 忘却ノ儀』
劇作家・演出家のタニノクロウが主宰を務める庭劇団ペニノが3年ぶりに完全新作を上演する。
タニノは2016年に岸田戯曲賞を受賞、ドイツの公共劇場のレパートリー作品を手掛けるなど脚本家としても高い評価を得ているのだが、それ以上にこだわっているのが舞台美術。
今回は森下スタジオの中に「巨大な寺」を建て、「一体・没入型」の音楽劇を展開する。
そこには8人の僧がいて、何らかの念仏を唱え、奇妙な唄を唄い、不可思議な音楽を奏でる。そして彼らは熱、光、煙、匂い、音、声、振動といった人間の五感に働きかけるさまざまな要素を駆使し、そこに集うすべての人を巻き込み、うねるような極限状態を生み出していく。
今回は公演自体は6月28日からなのだが、6月21〜25日には「庭劇団ペニノ『蛸入道 忘却ノ儀』を10倍楽しむ会」と銘打ち、上演を挟む形でタニノとゲスト講師たちによるレクチャーとフィードバックが開催される。アフタートークという形で作品について語るケースはままあるが、こちらはそこから一歩踏み込んだ形で行われ、より深く作品を知ることのできる試みとなっている。
また今回の公演では舞台美術に関するクラウドファンディングも行っているので気になる人はのぞいてみるのもいいかも( https://camp-fire.jp/projects/view/66631 )。
【日時】6月28日(木)〜7月1日(日)(開演は木金14時/19時、土日13時/18時。開場は開演5分前。当日券は開演30分前)【会場】森下スタジオCスタジオ(森下)【料金】全席自由/入場整理番号付き 前売り4500円、当日券5000円/学生3800円(要学生証提示・枚数限定)【問い合わせ】庭劇団ペニノ(TEL:080-4414-2828=11〜20時 [劇団HP] http://niwagekidan.org/ )【作・演出】タニノクロウ【出演】飯田一期、木下出、島田桃依、永濱佑子、西田夏奈子、日高ボブ美、森準人、山田伊久磨(五十音順)