「風呂ダンサーズ」は青春【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第9回】

 もう二週間前になってしまいましたが、劇団Rexy第六回公演「風呂ダンサーズⅡ」が終了しました。

 劇団Rexyが昨年12月に上演した「風呂ダンサーズ」の続編です。

 ※前回公演の記事はこちら
 全力で全裸「風呂ダンサーズ」【脱こじらせへの道 第62回】
 http://www.tokyoheadline.com/385773/

「見せたい」男たちが「見えない」ように踊るダンスがとにかく凄い! 劇団Rexy『風呂ダンサーズ』
 http://www.tokyoheadline.com/385763/

 前作の「風呂ダンサーズ」は、主人公の父親を成仏させるために、一族の男たちが裸一貫で奮闘するという作品。

 本作は、それから二年後の風呂ダンサーズのメンバーたちを中心に、物語が展開します。

 新メンバーを加え精力的に活動する風呂ダンサーズのメンバーたちですが、営業で訪れた先で火事にあってしまいます。それをきっかけに、その火事に立ち会った消防団に入隊することに。厳しい訓練に疲弊し、怪我をしていくメンバーたち。新しいショーのネタも考えつかず、気持ちが分裂してしまうが……。

 ということで、前回のメンバーはもちろん新しいメンバーも加わり、総勢17人の男たちが一致団結して頑張る姿が描かれます。

 本作の見どころはなんといっても、ダンスを含むパフォーマンスシーン。

 全裸で桶やバスタオルを使って「男のプライドを守る」パフォーマンスは、ときにドキドキし、ときにヒヤヒヤし、ときに大爆笑する、風呂ダンサーズの象徴的なシーンのひとつです。

 今回は消防団を舞台にした物語だったので、アクロバットな技も。

 千秋楽では、練習で一度しか成功したことのなかった三段タワーに挑戦し、見事成功!

 一歩間違えば大事故になりかねない危険な技に、見ていたファンも、スタッフも手に汗握る瞬間でした。

 前作では、こういったパフォーマンスのある作品を上演するのが初めてだったので、正直、お客様がドン引きしてしまったらどうしよう……という心配も大きかったんです。

 毎日モニターで客席の反応を見ていましたが、ふたを開けてみれば、大興奮・大歓声。

 だからⅡもある程度受け入れられることは予測できていたものの、客席の盛り上がりは予測を超えたものだったのではないでしょうか。

 最初こそクレイジーなパフォーマンスが売りの色物作品と思われるかもしれませんが、この作品は心も体も裸になって全力でぶつかる青春作品だと、私は思っています。

 パフォーマンスが本当に馬鹿馬鹿しいからこそ、それを一生懸命やる姿に大笑いし、そして心動かされてしまうのです。

 それはⅠもⅡもそうですし、これから先このシリーズが続いていっても変わらないでしょう。

 出演者も「難しいことを考えずに純粋に楽しんでほしい」というメッセージをくれた人が多く、実際にそういう風に楽しんでくれているお客様も多いと思います。

 ただのイケメンが踊るだけの舞台ではなく、全力でパフォーマンスする人間の姿が、何よりもこの作品の魅力なのです。

 そんなわけで、いよいよコンテンツとしての真価を問われ始めた「風呂ダンサーズ」と「劇団Rexy」。

 男たちの一体感に感動したい人、馬鹿馬鹿しいことに爆笑したい人、イケメン補給したい人、そして、演劇好きな人にも、是非見ていただきたいです。

 劇団Rexyは今後も定期的に公演を行うので、次回以降も期待していてください!

田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。