【インタビュー】岩田剛典、石井裕也監督と三代目楽曲で短編映画「頼もしい方」

 EXILE HIROと、俳優の別所哲也が代表を務める国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF&ASIA)』のコラボ企画第2弾『ウタモノガタリ— CINEMA FIGHTERS project —』が22日から公開になる。EXILE TRIBEの印象的な楽曲の数々を生み出してきた作詞家・小竹正人の詩の世界を、気鋭監督たちが映像化するプロジェクトで、6つの詩から生まれた6つの新曲を6つのショートフィルムに仕上げた。『ファンキー』の石井裕也監督と主演の岩田剛典に聞いた。

撮影・仲西マティアス ヘアメイク(岩田剛典)・下川真矢

 タッグを組むと決まったときからお互いにワクワクしていたという監督・石井裕也と主演・岩田剛典の2人。

岩田剛典(以下:岩田)「僕は以前から監督の作品を拝見させていただいていたので今回すごく楽しみでした。監督はテーマ楽曲の『東京』をご自分なりにどう解釈したかを脚本とは別に、文章に記して送ってきてくださったんです。それを読ませていただいて、すごく頼もしい方だなという印象を抱きました」

石井裕也監督(以下:石井)「僕も岩田さんと作品を作ることができると聞いて本当に楽しみでした。やっぱり岩田さんって、すごく人気者なので実際はどんな人なのか興味があったんですよね(笑)。どんな人物なのか、俳優としてどう出てくるだろうとか。実は、岩田さんと『植物図鑑』で共演した高畑充希さんに“どんな人?”と聞いたりもしてしまいました」

岩田「何とおっしゃっていました?」

石井「ちょっと変わった王子様、と言ってました(笑)。でも本当に素敵な方だと思います、と」
岩田「ははは(笑)」

石井「それでますます楽しみになって、せっかく岩田さんとショートフィルムを作るなら、印象に残る作品を作ろう、と。岩田さんに合う役かどうかは分かりませんでしたけど、これまでとは全く違う岩田さんを見せられるという自信はありましたよ」

岩田「監督のお手紙にも“とにかく自信がある。俺はやるよ”と書かれていて。それはこちらも気合入りますよね(笑)」

 物語の舞台は2041年。謎のファンキー集団と、岩田演じるそのリーダー“純司の兄貴”が、30年前に亡くなった純司の母親をめぐり繰り広げるエピソードがポップにつづられる。短期間の撮影は、なかなか過酷だったもよう。

岩田「短期間とはいえ、本当に刺激的な経験をさせていただきました。僕はまだそれほど出演させていただいた作品数は多くないですけれど、その中でもこれまで演じたことのないような経験ばかりでした(笑)。あれほど大量の水を使った撮影もこれが初めてでしたし。部屋に水が入ってくるという場面も初めてでしたね」

石井「あまり無いよね(笑)」

岩田「無いですよ。トリック的というか、本当に面白いと思いました。でも大変だったんですよね、あの場面。部屋を水でいっぱいにするはずが、どこからか水が漏れだしたりして(笑)。共演の池松壮亮さんたちとも、長編ほどコミュニケーションをとる時間は無かったにもかかわらず、すさまじい時間を共に戦い抜いたという充実感がありました(笑)」

石井「ははは(笑)。時間的にもハードななか、毎日水を使う撮影があったしね。池松さんたちにはバスの上にも乗ってもらったり……。いろいろと大変な状況を、キャスト全員が一つのチームとなって頑張ってくれました」

岩田「皆さんと思いを共有できてよかったです」

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