今聴きたい「クールでアツい」音楽【オススメCD 4選】
「初恋」宇多田ヒカル
今年12月にデビュー20周年の記念日を迎える宇多田ヒカルの最新アルバム。ファンのみならず、ミュージシャンにも好評を博し、多くの新たな才能を世に送り出した前作『Fantôme』に続く作品で、インターバルはそれほど長くはないものの待望されている感が強い作品だ。これまでに発表されている「大空で抱きしめて」「Forevermore」「あなた」「誓い」「初恋」「Play A Love Song」のほか、クールなのにエモーショナル、浮遊感があるのにドスンとくる印象だ。前作同様今作もまた、一般に言うファンではない人も手を伸ばす稀有なアルバムになりそう。久しぶりのツアーも控える。いま聴いておきたい曲がここにある。
「LIBERATION」Christina Aguilera
米アーティスト、クリスティーナ・アギレラの最新アルバム。本作のタイトルは直訳すると「解放」。このタイトルやアルバムの象徴となるのが「Fall In Line feat. Demi Lovato」だ。MeTooの動きを筆頭に世界各地でこれまで押さえつけられ隠されてきた真実が噴き出しているなかで、この曲もまた女性に対する社会的・世間的抑圧が存在する風潮に否を突き付ける。本作には、アギレラが「ずっと大ファンだった」というカニエ・ウェストがプロデュースした「Accelerate feat. Ty Dolla $ign & 2 Chainz」など全15曲を収録。
「THE ASHTRAY」Suchmos
都会的で洗練されたスムースなサウンドで人気を集める6人組が放つ最新音源。ロック、ソウル、ジャズ、ヒップホップなど、ジャンルによる区分なんて気にしてはいないような作品やスタイルが見ても聴いても感じても心地よい感じは、本作でも変わらない。ただグルーヴやサウンドの快適さのなかに、チクっとするフレーズが埋め込まれて、チルなムードに浸っていたリスナーを一気に覚醒させる。Honda『VEZEL』のCMソング「808」、2018NHKサッカーテーマソング「VOLT-AGE」など全7曲を収録。
「Soil」Serpentwithfeet
米ボルチモア出身のエクスペリメンタルR&B/ゴスペルアーティスト、サーペントウィズフィートのデビュー作。幼いころから聖歌隊で歌い、大学ではボーカルパフォーマンスを学んだという彼は、クラシックとR&Bをミックスした楽曲で注目を集めると、ビョークの新作に収録されていた「blissing me」のリミックスにボーカルで参加し話題に。そんな中でリリースされるのが本作だ。ゴスペルというバックグラウンドによるものなのか、美しさや透明感、神々しさ、包容力のある歌声に魅了される。