イリアーナが日本人選手3タテでトーナメント優勝【7・6 Girls S-cup】
決勝はイリアーナvs MIO
シュートボクシング(SB)の年に一度の女子の祭典「Girls S-cup 2018」(7月6日、東京・TDCホール)で行われた「48kg世界トーナメント」でイタリアのムエタイ王者イリアーナ・ヴァレンティーノが優勝した。
決勝は優勝候補のMIOと対戦。1RはMIOがプレッシャーをかけ、イリアーナがサークリング。ともに相手の出方をうかがう慎重な展開となる。MIOが首投げを仕掛けるがこれはノーポイント。2Rもイリアーナの左ミドルにMIOが右フックを合わせると、今度はイリアーナがMIOの右ミドルにパンチを合わせるなどともに相手に主導権は渡さない。
ジャッジの難しいラウンドが続き迎えた最終ラウンド。イリアーナは果敢に前に出てパンチをまとめるがMIOは試合後に日本シュートボクシング協会のシーザー武志会長が「3Rに行き切れなかった、悪いクセが出た」と振り返ったように攻め切れず、試合は判定に。
ジャッジ2人が30-29でイリアーナを支持。2-0でイリアーナが勝利を収めた。
準決勝ではMISAKIを完封
イリアーナは準決勝では日本のMISAKIと対戦。
MISAKIは無尽蔵のスタミナでノンストップで攻撃を繰り出すファイトスタイルから“猪突猛進娘”の異名を持つファイター。トーナメントの台風の目ともいえる存在だったが、イリアーナはMISAKIの突進を組み止めると、首相撲でMISAKIをコントロール。強烈なヒザ蹴りをMISAKIのボディーに何発も打ち込んでいく。MISAKIはその状態からも顔面、ボディーにパンチを打ち込んでいくが、その体勢では威力は半減。ブレイク後もプレッシャーをかけて前に出るMISAKIだったが、組み止められてヒザ蹴りという展開を打開できない。試合は判定となったが、イリアーナが30-28、30-28、30-27と3-0で勝利を収めた。
MISAKIは1回戦のイシス・バービックにも首相撲で動きを止められるなどこの日は持ち前の突進ファイトが不発に終わった。シーザー会長はMISAKIのファイトについて、「もっと技術を磨かないといけない。いい蹴りがあるのに出せていない。その蹴りを出せばパンチが生きるのに」などと指摘した。
小林愛三はプロ初黒星
イリアーナは1回戦では初代ムエタイオープン女子フライ級王者の小林愛三と対戦。
パンチ主体のイリアーナに対し、小林は多彩な蹴りで対抗。主導権を握ったのは小林。しかし2R、小林の右ハイキックの蹴り終わりにイリアーナがドンピシャのタイミングでバックブローを炸裂。小林はまともに食らってダウンを喫した。すぐに立ち上がり反撃する小林。3Rもポイントを挽回すべく果敢に攻めるも、イリアーナはしのぎきり、ジャッジ3者とも1ポイント差でイリアーナを支持。3-0でイリアーナが勝利を収めた。
一方、小林はプロ入り以来、初黒星を喫した。
イリアーナはRENAとの再戦をアピール
イリアーナはトーナメントに参加した日本人選手を3タテ。試合後の会見ではSBへの継続参戦をアピール。シーザー会長も「技術のしっかりしたいい選手。性格もいい」とべた褒め。今後、SB女子の大きな壁となりそうだ。
またイリアーナは2連敗を喫しているRENAとの再戦もアピールした。
MIOは1回戦でイム・ソヒにリベンジ果たすも…
優勝候補筆頭のMIOは1回戦で4月大会で敗れたイム・ソヒと対戦。MIOはローキックを主体に攻め込み、3-0の判定で退けリベンジに成功。
準決勝のゲーオター・ポー.ムンペット戦は2Rにきれいな投げでシュートポイントを奪うと、3Rにはガードのすき間から右ストレートを叩き込みダウンを奪うなど、ジャッジ2人が30-25、1人が30-26と判定ながらも完勝。勢いをつけて決勝に臨んだが、イリアーナの牙城の前に無念の敗戦となった。