吉川晃司と上地雄輔が舞台あいさつで和気あいあい「バラすなよ!」
吉川晃司と上地雄輔が9日、都内で行われた「連続ドラマW 黒書院の六兵衛」(WOWOWプライム、毎週日曜夜10時、22日スタート)の完成披露試写会に出席した。
舞台挨拶のあいだ、お互いのコメントにツッコミを入れたり、親指を立てて反応したり、顔を見合わせて身をよじって笑ったり。「勝手に馬が合うと思ってた」という吉川に、上地も「僕もそう思ってました!」と、和気あいあいを超えてイチャイチャ。冒頭の吉川のあいさつが上地より長かったことについて、それぞれが劇中で演じた役と逆ではとMCが触れると、「(吉川は)本当はすごいしゃべる。ずっとしゃべってるから!」と、上地。吉川は「バラすなよ! イメージもあるんだから!(笑)」。以前から面識があるかと聞かれた際にも、吉川は「えー、この共演から始まって、もうこれで最後です」。上地は「違うから! 漫才師ですか(笑)。前にもNHKのドラマでご一緒させていただいていて、絡むシーンもいろいろあったんですけど、この作品でどっぷり一緒にいました」と、吉川のクセのある言葉の球を受け止めていた。
浅田次郎による時代小説のドラマ化。江戸城不戦開城の史実をベースに、自らの信義を年一切口をきかぬまま江戸城内に居座り続ける将軍直属の後書院番士・的野六兵衛と、六兵衛を排除するために官軍側の尾張藩から送られた下級藩士・加倉井隼人との交流や、自身の役割のために尽くす2人の姿を描く。
劇中、吉川が演じる六兵衛は、ほぼセリフなしで動きもない。ただ、じっと座っている。
「彼(上地)のセリフが2人分ですから落語家さんか1人禅問答的。大変だったと思います」と称える一方で、撮影中の胸中を聞かれると「(上地が)また間違えた! また帰るのが遅れるじゃないか、いい加減にしろよって(笑)」とユーモアたっぷりの答え。上地も「そんなこと思ってたの!!」と笑った。
その後一転、真面目な表情で「六兵衛さんは話さない分、所作や立ち居振る舞いで見せていかなければいけなかった」。そのために体幹や筋力トレーニングが必要だったという。劇中では「(自分は)筋力勝負、(上地は)脳みそ勝負」と吉川に、上地は「あんまないのにね、頑張りましたよ」とやり切った表情だった。
「脳みそ勝負」の上地は長いセリフと格闘。普段から台本の自分のセリフにマーカーで印をつけたり、折ったりしていくそうだが、「最初から5ページぐらいで止めました。意味がないので。ほぼですから」。撮影中は「ずっと大きな背中に、壁に話しかけるような形で、時には喜んだり、時には泣いたり、時には悩んだり。背中で何かを感じて自分の気持ちを持っていくということが多かったんですけど、吉川さんも背中で演じるというか……」と、絶賛。「僕のシーンが終わると、後ろを向いて正座で座っている吉川さんがすっと親指を上げてくれるので、毎回それをもらうために頑張ろうと思っていました」。吉川は「俺は、早く帰れるって思ってたんだけどね」とニヤリ。
22日にスタート。
吉川は「六兵衛さんはエンターテインメントとしてもすごい面白い要素が満載ですし、いろんな意味で、今、だからここにあったんだということを抱いて立っている存在になるんだと思います。これを見た時に、人それぞれに出す答えが違うと思います。堅苦しくではなく、腹を抱えて笑いながら、時にはぐじゃぐじゃな顔をして見ていただいて、最後にはこういう問いかけがあるんだなとなったときに、答えを出していただければ。それが我々の未来につながっていくものになるんだと思っています」と、アピール。
上地も「時代劇ですけど今に通じるものがあって。それぞれ感じ方も感じるポイントも違うと思うんですけど、そのなかで自分の生きる力になるきっかけになるものが散りばめられています。そんなに動いたり、どんでん返しがあるようなドラマではないんですけど、そのなかで六兵衛の周りの人間が、動かないもの、時代や人に対して、いろいろ心が動いていくんです。動かないなかに、いろんな心の動きがあって楽しいドラマになっていると思います」と、話した。
全6話。初回は無料放送。