浅倉カンナ RENA戦は「もう1回勝てばいいだけ」【7・29 RIZIN.11】
天心には「声が聞こえるところにはいてほしい」
「RIZIN.11」(7月29日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)の前々日会見が7月27日に東京都内で開催された。
今大会でメーンを務める浅倉カンナとRENAは2日後に控えた決戦に向け、それぞれ静かに闘志を燃やした。
浅倉は試合について「この1週間、緊張したりワクワクしたりしたが、今は試合が楽しみ。周りの人が思っている以上に、自分の中で負けられない試合。ここで負けたら自分のなかで納得がいかないので、絶対に負けられない」などと話した。
福岡大会でRENAに再戦を迫られた時は戸惑いもあったが、今では「再戦に対してとくに何も思っていない。もう1回勝てばいいだけなんで、しっかり勝ちます」と再戦への特別な意識は特にない様子。
メーンを務めることについては「ビックリです。RENAさんの力って本当にすごいんだなと思いました。自分なんかは3試合目くらいでやって後はゆっくり見たいタイプなので、メーンになってビックリなんですけど、そういうことは気にせずに、緊張も楽しんでできればいいと思います」などと話した。
RENAの打撃については「カッとなって打ち合いにならないように冷静になろうと思う。ボディーへのパンチが一番怖い。試合はなにが起こるか分からないので一瞬も気が抜けない」と警戒した。
会見の終盤はごく自然に交際中の那須川天心との話となったが、ここでも気負うこともなく「やっぱりいじられるんですね(笑)」と淡々とした様子で「濃いアドバイスはしてもらわないが、試合中は近くに、声が聞こえるところにはいてほしいと思う。居てもらえれば心強い」などと話した。
RENA「レフェリーしか私を止められない」
一方のRENAは全身黒づくめの“黒RENA”の出で立ちで会見場に現れた。
RENAは7月6日の「Girls S-cup 2018」に続き、7月2連戦という過酷な日程での戦いとなるが「いつもよりも調子がいいというか落ち着いています」と体調は万全のよう。
今回は劣勢と見る向きが多いが「昔持っていた雑草魂で“おまえら見とけよ”と思っています。その気持ちで練習を頑張れている。もうやる気しかない。やっぱり前評判を覆せた時の快感は半端ない。そういう経験もあるし。“見てろよ”って思ってます」と話した。また名前こそ出さなかったものの、2011年11月の神村エリカ戦をあげ「絶対に負けると思われていた試合に勝った時の爽快感をまた味わえるんじゃないかなと思います。楽しみで仕方がない」と続けた。
浅倉が「RENA選手の寝技は怖くない」と言っていたと振られると「それ言ったらカンナの打撃なんか怖くないじゃないですか。それと同じですよね。まあ…でしょうね、って感じですね(笑)」と一蹴した。そしてチャンスがあったら容赦なく顔面を蹴り上げることもできるか?と聞かれると「しますよ」とクールに答えたうえで「今回はヒジもありなのでフル活用。レフェリーしか私を止められない(笑)」と笑顔で撲殺宣言した。
杉山しずか「夢の中で30ラウンドくらい戦ったんじゃないかと思う」
今大会では浅倉vs RENA戦を含め女子の試合が3試合組まれた。
2度目のRIZIN出場となる杉山しずかは中井りんと対戦。杉山は「ケガもなくいい練習もできて、休みもしっかり取れて調子はいい。緊張しながらも早く試合をしたいと2週間くらい前から思っている。寝ている時もたくさん試合をしている夢を見た。30ラウンドくらい戦ったんじゃないかと思う。毎ラウンドいい感じだった」と充実した時間を過ごしてきたことを明かした。
中井については「彼女も30歳で同い年。10年間ずっと見てきたし、女性として美しいアスリートだと思うので、そういうところを2人で見せられればいいと思う」
試合については「(中井は)やっぱり組んでいたいと思っていると思う。誘われて(自分が)打撃を出したところとか出たところに(中井は)タックルを合わせてくると思う。彼女の不得意としているところも分かっているのでそういうところを攻めていく形になる」などと話した。
フィニッシュについては「K太郎スリーパーで決められたら最高ですね。K太郎より有名になりたいということもあるし、目標にしているし世界で一番尊敬しているファイターでもあるので、そこは狙いたい」と夫でUFCファイターの中村K太郎の得意技でのフィニッシュも視野に入れているよう。
途中「格闘技をやって、つらい時期もあったし、いい思いもさせてもらった。すべては自分の選んだこと。それがここにつながったと思っている。毎回、いろんな人に支えてもらっているから私が好きなことができているということは分かっている。ここに最高の相手がいて、最高のモチベーションを作れたので…それを見せたい」と周囲への感謝の言葉を述べる途中で声を詰まらせる場面もあったが、最後はいつもの決めポーズで笑顔で会見場を後にした。
一方、中井は体調不良を理由にこの日の撮影と会見を欠席した。
石岡沙織はカンナ戦振り返り「二度とああいう試合はしたくない」
“ママ対決”となるのが石岡沙織と山本美憂。
石岡は「多分、過去最高のコンディションに仕上げられたと思う。気持ちの面と体の動きの両方が落ち着いている感じ」と順調な仕上がりのよう。
山本については「意識しているのはタックルに対して。今回は打撃もしっかりと磨いてこられているとのことなので、キャリアがまだ4~5戦でも侮ってはいけないし、おごってはいけないと思う」とし「面白い試合になると思う。つまらない試合はしたくない。皆さんに楽しんでもらえるように頑張る」と続けた。
石岡は昨年夏に浅倉カンナに敗れて以来の再起戦なのだが「前回、浅倉カンナ選手と試合をしたときに自分のやりたいことも気持ちも何も出せなかった。気持ちが出し切れずに負けたということが情けなさすぎて、二度とああいう試合はしたくないと思った。そこから気持ちも体もしっかり仕上げてきた。同じ失敗は繰り返さない」とこの試合にかける強い思いを語った。
山本美憂はグアムでトレーニングキャンプを敢行
一方の山本は今回、グアムでトレーニングキャンプを敢行。「MMAをすごく知っているカイル・アグオンにコーチをやってもらい、毎日細かく練習した。スタンドやテイクダウン、グラップリングとかすごくいいトレーニングキャンプができた」と話した。そしてこちらも「石岡選手も今回もアグレッシブに来ると思います。必ずいい試合になると思います。とにかく、つまんないと思わせるような試合はしないと思います」と話した。