DAIGOがロックのシャウトでイーサン・ハントを倒す!?
トム・クルーズ演じる伝説的スパイ、イーサン・ハントの活躍を描く大人気アクション映画『ミッション:インポッシブル』シリーズ。その最新作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』が夏休みシーズンの日本で大ヒット中。本作の日本語吹き替え版で、敏腕CIAエージェント・ウォーカー役を演じたDAIGOは自身もシリーズの大ファンだという。
「最初にお話を頂いたときは本当に僕でいいのか、と思いました。日本はもちろん世界中の人々が新作を待ちわびている『M:I』シリーズの吹き替えを僕がやらせていただいていいのか、そんな任務を全うできるのかと、そういう思いはあったんですが本当に『M:I』の大ファンでしたし、僕がやらなければ誰かがやるということになりますから、それなら自分が全力でやらせていただこう、と思いました」
今回DAIGOが吹き替えを担当したのはヘンリー・カヴィルが演じているCIAエージェントのウォーカー。
「敏腕エージェントなんですが敵か味方か最後まで見ないと分からないというミステリアスなキャラクターです。しかもクールでワイルドで身体能力もすさまじい。ガタイもよく、声も太くてかっこいいんです」
カヴィルといえば『マン・オブ・スティール』のスーパーマン役のマッチョなイメージも強いイケメン俳優。
「あくまで自然な範囲で、ですが僕も自分の限界まで声を低くして、クールなタフガイを表現しようと努めました。映像を見て感じたウォーカーの人物像に合わせて、スマホで録音した自分の声を聞きながら、一番ウォーカーらしい声のトーンを探っていきましたね。吹き替えをしながら、俺はガタイが良いんだ、ヒゲも生えているんだ、とイメージしながら演じていました」
盗まれたプルトニウムを奪還するミッションを与えられたイーサンとIMFチームはCIAエージェントのウォーカーとともに手がかりとなる正体不明の男“ジョン・ラーク”を追うのだが…。過去シリーズの醍醐味と、それをはるかにしのぐ圧巻のアクション。本作でトムが自ら行った超絶アクションの数々、そして撮影中に負傷したニュースは早くから話題を呼んでいた。
「本当にすごすぎます。彼はシリーズを通して不可能を可能にし続けてきた。4作目でもドバイのブルジュ・ハリファで宙づりになったり離陸する飛行機にしがみついたりしていましたけど、本作はさらにすごいアクションをこなしていますからね」
高度7620メートルからの“ヘイロージャンプ(この高さから飛んだメジャー映画の俳優はトムが初めて)”や、トム自らヘリの操縦免許を取得して挑んだアクロバット飛行など、あぜんとせずにはいられないアクションが次から次へと繰り広げられる。
「本当に、命がけのスタントをご自身でやっているんですよ。他の誰もができないことをやり続けている。世界的スターでい続けている理由も、ここにあるんだなと思います。ルックスも変わらずかっこいいですしね、本当に不老不死かと。仕事が朝方まで続いたときも、トムさんを思うと疲れたなんて言ってられません。あんなマネは決してできないけど、彼は、自分の限界を引き上げてくれる、そんな人なんです。僕にとって、アメリカの代表的俳優といえばトム・クルーズ。ロックバンドならボン・ジョヴィです」
劇中、レストルームでの格闘やクライマックスの対決など、激しい肉弾アクションを声で表現するのも、かなり難しかったのでは。
「それが意外と、アクションシーンより普段の場面のほうが僕は難しく感じました。アクションのほうは動きにタイミングを合わせて“ハッ”とか“ウッ”という声を当てていくことができて、普段のシーンより収録もサクサク進んだんです。やはりそこはロックをやっていたというのが役に立ったのかもしれません。アクションシーンを一つの曲のようにとらえて、リズムを認識し、声を出していくことができたので、そこはロックの経験が生きたかな、と。ただ、やはり声だけで演じる、表現するというのは、他のどのジャンルとも違う難しさがあると改めて感じました。声優というのは、エンターテインメントのジャンルの中でもトップクラスの難しさだと思います。VD、Very Difficultですね(笑)」
ちなみに『M:I』シリーズといえば変装マスクが欠かせないアイテム。もしDAIGOが変装するなら?
「それはやっぱり、イーサン・ハントでしょうね! イーサンになってアメリカを歩きたい(笑)。本当に僕にとってヒーローなんです。イーサンって無茶なことばかりしますけど、彼ならやれると思わせてくれるんですよね。苦悩する姿もさらけ出すじゃないですか、それもまた親近感がわくというか。何よりどんな絶体絶命の状況でも乗り越えてくれる。僕にとってイーサン・ハントはいろいろなことを教えてくれる、特別なヒーローなんです。僕もこのシリーズを見て、いろいろと注意深くなりました。周りにいる人が本当に当人なのか、マスクをかぶっているんじゃないか、もしかしたらスマホ型の機械でデータを分析されているんじゃないか、とかね」
本作でもまた、そんなスパイの世界に観客を引きずり込む。
「僕も見ていてふと“今、息してた?”と思いましたからね。呼吸すら忘れてしまうほど見入ってしまう、すごい作品になっています。このシリーズは毎回、集大成のようですが、本作はその集大成感が特に強いです。僕も絶対、映画館で見たいですから。まずは字幕で(笑)。そこから吹き替えを見ます。だから最低でも2回見ます」
(本紙・秋吉布由子)
監督:クリストファー・マッカリー 出演:トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ヘンリー・カヴィル他/2時間27分/東和ピクチャーズ配給/全国公開中 http://missionimpossible.jp/