渋谷小町 小林愛三【ジョシカク美女図鑑 第7回】

(撮影・辰根東醐)
現役中は「小林愛三と戦いたい」と言われる選手、将来は農家になりたい

 今後の目標を聞かせてください。

「まずは1試合1試合結果を出すことが大事だと思っています。近いところの目標としてはKOできる選手になりたいということと、現在、立ち技の中で一番強いと言われているRENA選手に勝つこと。将来的な目標としてはどんどん強い選手に勝っていって、“小林愛三と戦いたい”と言われること。そうやって強い女子選手がKNOCK OUTに集まるように私自身がどんどん強くなっていきたいと思っています」

 普段の生活サイクルは?

「普段は所属するNEXTLEVEL渋谷ジムの受付をやっています。受付と会員さんに指導するインストラクターと自分のための練習の毎日です。ずっとジムにいますね。ジムに来ない日は今はほとんどないです」

 ジムには国内女子のトップファイターであるグレイシャア亜紀、紅絹、443らが所属している。

「女子選手にとってはすごくいい環境だと思います。先輩たちがすごく強いので、毎日ボコボコにしてもらっています。強い選手がたくさんいるので、出稽古にも強い選手が来てくださいますし、そういう面ではすごく恵まれていますね」

 会員さんも女子が多い?

「すごく多いです。他のジムと比べたことはないんですが“一番多いんじゃないか”って言われるくらい女性の会員さんは多いです。女子でキックボクシングやりたい人にはお勧めです」

 女子格闘技の人気が高まっていることについてはどう思っている?

「多くの人に知ってもらわないといけないと思っているので、私はキックボクサー代表として盛り上げていきたいですし、みんなに知ってもらえるように強くなっていきたいです」

 22歳。今後の人生設計なんかは。

「一番最後は農家になって自給自足をしたいと思っています。1人でも…まあ、1人では人間生きていけないんですけど、野菜を作って、田んぼでチャリをこいでいるおばあちゃんになりたいです」

 なにをきっかけにそう思うように?

「農家になりたいというのはずっと小さいころから思っていました。おばあちゃんが農家をやっていて、今は自分の食べるものとか親戚に送る分のものしか作っていないんですが、そういう自分で作った野菜をお世話になった人に送ったりしている姿を見て、私もそういう人になりたいと思いました。私はスイカが大好きで、あとシソとかお米とかそういうものを作りながら、将来は畑で1日1日、野菜の成長を眺めていく生活を送りたいんです(笑)。人として強い人って、1日1日を大事にできる人だと思うので、そういう意味でも農家に絶対になりたいですね。カッコいいです」

 そこに一緒に農家をやってくれる旦那さんがいれば最高?

「ああ…どうでしょう(笑)。いたらいいんですけど」

 農家は1人でもやる?

「1人でもやりたいです。旦那さんはいてもいなくてもいいです(笑)。まあ、いたらいいんですけど。もしいるなら、その人にはその人の好きなことをしていてほしいです」

 将来結婚するとして、旦那さんが「俺は農家やりたくないよ」って言ったら…。

「“あ、どうぞ好きなことをやってください。私は農家をやりますから”って(笑)。それくらい農家をやりたいんです。お世話になった人に毎年、自分で作った野菜を送れるような、それくらいの余裕を持ってやりたいと思っています」


 選手としての目標は「強くなること」「小林愛三と戦いたい」と言われる選手になること。その一方で引退後の人生設計は「農家」。畑で野菜の成長を見守りながら暮らしたいという。究極のギャップ萌えともいえそうな、このふり幅の大きさがそのまま小林愛三の魅力なのかもしれない。(本紙・本吉英人)
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