「アメリカンドッグより煙草の似合う男になりたい」関 太

タイムマシーン3号・関太(撮影・蔦野裕)

コミュニケーションの場は喫煙所!?



「芸人って、ほかの職業の方に比べると煙草を吸っている人が多いと思うんですけど、最近は減りつつあるなと感じますね。変なもので、売れてない芸人のほうが吸っている気がする。お笑いで成功して、ある程度生活が豊かになると、次は健康とか家族に目がいくようになるんじゃないでしょうか(笑)。昔は現場に行ったら休憩時間には、喫煙所にみんなが集まってお喋りをしていたものですが、今は演者さんより技術屋さんのほうが多いかも知れないですね。喫煙所って、コミュニケーションの場なんですよ。1年目の芸人と20年目の芸人が一緒になる場所って逆にいうと喫煙所しかない。そこだけは先輩も後輩も関係なく集まりますから、そこで名前を覚えてもらったり、覚えたりっていう事がある。で、名前を覚えたら次回仕事で一緒になった時に“ちょっと一服しに行こうよ”って声を掛けられるから、仲良くなるのも早いですよね。この間も拘束時間の長いロケがあったんですけど、喫煙スペースでよく顔を会わせていたアクセルホッパーさんと大分仲良くなりましたもん(笑)。それまではろくに話したことはなかったんですけど、めちゃくちゃいい人でした(笑)。本当に優しい人だなって。それって話をしないと分からなかったので、煙草があって良かったです(笑)。あとは、カメラマンさんと仲良くなった時に、“あそこで動くより、止まっていたほうが撮りやすいですよ”とかアドバイスをいただいて、すごく助かった事もありましたね。なんか、喫煙所って不思議な連帯感があるんです。ただね、喫煙者っていうと、意外だというのはよく言われます。こういう見た目なので、アメリカンドッグを持っているほうが似合うって言われてますけど(笑)。逆にだからこそっていうのがある。僕なんかすごい真面目に育ってきて、不良でもなかったですし、“ワル”な部分がまったくないんですよ。だからこそ、ちょっとアウトローを気どりたいというか(笑)。先輩にしても、ドラマや映画にしても、煙草を吸っている人は、渋くてカッコいいっていう自分の中で憧れがあるので、少しでもその雰囲気に近づきたいんです。Vシネマとか見てるとね、もう煙草を持ちたくなる(笑)。我々は先輩が煙草を吸いながらネタを考えている姿がカッコいいっていう時代の芸人ですから。煙草を吸っている自分にうっとりしているところはありますね(笑)」