那須川天心が堀口戦「KIDさんに見てほしかった」【9・30 RIZIN】
9・30「RIZIN.13」で堀口恭司と世紀の一戦
「RIZIN.13」(9月30日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)に出場する那須川天心が9月19日、千葉のTEPPEN GYMで公開練習を行った。
那須川は今大会、昨年行われたバンタム級トーナメントを制した堀口恭司とキックルールで対戦する。
この日は3分間のミット打ちを披露したのだが、パンチの連打にミドルキックの速射砲、時折飛びヒザ蹴りを交えるなど多彩な打撃を披露。終了のブザーをオーバーしてミットを蹴り続けるなど、気迫のこもった練習を公開した。
練習後の会見では「前回のロッタン戦では追い込みすぎて当日までなかなか疲れが取れなかった。そういった経験から今回はキレとかスピードを重視している」と練習内容を微調整していることを明かした。そして「今回の試合に臨む期間で相当レベルアップしていることは感じている。普段の生活だったり食べ物のことも勉強している。そういう部分が生きてきたと思う」と話した。
堀口については「強い選手だが穴はたくさんある」
対戦する堀口については「距離やフェイントだったり、相手をだますことが得意な選手。そこだけというか、そこはしっかり気をつけたい。後はいつも通り戦えるかなと思う。みんな結構、距離にだまされている。1個1個のパンチや蹴りを分析してみるとそこまで怖くない。カードが決まった時は“強い選手。ヤバイ”と思っていたが、改めて映像などを見てみて、強い選手だが穴はたくさんあるなということが分かった」と話した。
とはいえ堀口は5月大会でイアン・マッコールを一発で仕留めるなど“堀口の距離”での戦いにはリスクがありそうだが、那須川は「あの距離に入っても大丈夫。距離に入っているようで入っていなかったり、入っていないようで入っていたり、というテクニックがある。マッコール選手はただ前に詰めなきゃいけないという意識が強かったんだと思う。“詰めたからなんなの?”って感じなので、詰めるまでのプロセスをしっかりやってきました」と対策は万全のよう。
「キックボクシングという競技の代表として戦っていければ」
今回の試合は「キックボクシングvs総合格闘技」という側面もあるのだが「今一番旬というか盛り上がっているカード。昔の魔裟斗さんとKIDさんの試合以上のインパクトを残したいという思いもありますし、自分はキックボクシングの選ばれた者としてリングに上がるつもり。いろいろな団体に強い選手はいますが、そういうことは関係なく、自分がキックボクシングという競技の代表として、戦っていければいいなと自分では思っている。すごいリスクのある試合。ここで負けたら“キックボクシング、ダメじゃん”と思われることもなくはない。そういうことでガッカリさせないように、すげえと思わせたい」と覚悟を持っての戦いであることを示唆した。
勝負の分かれ目は「ファーストコンタクト。それで決まるんじゃないかなと思っている」
また勝負の分かれ目としては「ラウンドというよりファーストコンタクト。それで決まるんじゃないかなと思っている。そこでKOというわけではなくて、攻め方とか自分でいろいろ用意しているものがあるので、そういうものを探りながら出していこうと思っている。そうやって試していく中で見切れたり、相手の呼吸が読めたりすると思う。今回は相手の呼吸を読むことを重視してます」と話した。
ルールについては「キックルール」ということ以外、詳細は発表されていないが「ルールは気にせず倒す練習をしている。ラウンドの時間も気にしていない。最近は3分5Rでやってきたので、3分3Rになろうが、15分になろうがやってやるって感じ」とどのルールになっても対応できる準備はできているよう。
18日の山本“KID”徳郁さんの訃報にあたってはSNSで哀悼の言葉を述べた那須川だがこの日も改めて「本当にショック。この試合はKIDさんに見てほしかった。会った時はフレンドリーに接してくれた。ちょうど1年くらい前、“格闘技を盛り上げてよ”と言われた時は本当にうれしかった。いろいろな人にそういうことは言われるんですが、言葉の重みが全然違った」などと故人をしのんだ。