「K’FESTA.2」メーンを争う武尊と武居由樹が1RKO競演【9・24 K-1】
フィジカル面での不利を乗り越え、1Rに2度のダウンを奪いKO勝ち
「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~初代クルーザー級王座決定トーナメント~」(9月24日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ)でスーパー・フェザー級王者の武尊とスーパー・バンタム級王者の武居由樹が揃ってスーパーファイトに出場した。
2人はともに来年の「K’FESTA.2」(3月10日、さいたまスーパーアリーナ メインアリーナ)でのメーン獲りを明言しているのだが、この日は甲乙つけがたいKOの競演を見せた。
武尊はスペインのダニエル・ピュータスと対戦。ピュータスは65kgの王座を獲得した経験もあるフィジカル面で武尊を大きく上回る選手。戦前はそのパワー差を不安視する声もあったが、武尊は1R2分9秒、KOでこの難敵をクリアした。
試合開始早々、前蹴りを出した武尊は足が滑ったことからピュータスがオイルを塗っていることをアピール。仕切り直しとなったが、その前蹴りを多用しペースを握ると、ピュータスの左のパンチに右のフックをクロスで合わせダウンを奪う。立ち上がったピュータスをコーナーに詰めるとパンチの連打。上下に打ち分け、左フックでぐらつかせるとさらに連打で畳み掛け、2度目のダウンを奪い、KO勝ちを収めた。
「これから日本の格闘技、世界の格闘技、全部僕が盛り上げる」
武尊は試合後のマイクで「3月のトーナメントから半年経っちゃったんですけど、今日の試合を見てもらえれば分かる通り、めっちゃ強くなって帰ってきました。これから日本の格闘技、世界の格闘技、全部僕が盛り上げるんで応援よろしくお願いします」と挨拶したうえで「大阪のうるさい奴がごちゃごちゃ言ってたり、盛り上がってるのはいいんですが。皇治、中途半端な勝ち方で俺の名前を出してるんじゃねえ。やることになったら12月、皇治の地元でぶっ潰します。格闘技が盛り上がっているけどK-1が世界最高の舞台で世界最高のリングだと思っている。僕はこれからそれを証明していくんで、これからもK-1を見に来てください」とアピールした。
試合後の会見では「半年空いたがいい練習ができた。前回は急きょトーナメントになって急に体を作らなければいけなかったので万全ではなかったが、この半年間で体づくりができていい期間だった。それが試合にも出たのが良かった。でも60kgとしてはまだ全然身体ができてないので、まだまだ伸びしろがあるなって、自分で楽しみに思っている。相手はやはり身体が大きくて最初に向き合った時のプレッシャーがすごかった。試合前は倒すことより3Rを使って勝てればいいかな、くらいに考えていた。3Rに入ると対格差が出てしまうので最初の時点で倒せて良かった。最初の何発かはガードの上からだったが体が強くて、ガードの上からでは効かないなと思った。蹴りも圧で返される感じがあって効かないように感じたので、蹴りをフェイントにしてパンチで、というふうに途中で変えた感じ。最初のダウンの右フックにかぶせたパンチはピュータス選手対策でずっと練習してきたもの。それがうまく入った」などと試合を振り返った。
ピュータスがオイルを塗ってきたことに関しては「怒りというより焦り。あれだけプレッシャーが強い相手なので、今回は前蹴りで止める作戦だったが、打った時にものすごく滑ったので、“前蹴りで止められなかったらやばい”と思った。今までの僕だったら相手が滑っても試合中に止めるということはしないんですけど、今回に限っては前蹴りを使えないと結構きついと思ったので指摘させてもらった。今回は相手の大きさにナーバスになっていたと思う」などと話した。
皇治については「最近、ちょっと“いい人”感出そうとしているのがずるい」
この日も大阪大会での対戦をアピールした皇治については「今日の試合内容であれだけ大口叩かれても困るが、スタウロス選手に勝ったら考えればいいのかなと思っていた。それなりに結果を残してくれないとやっても盛り上がらないし、やる意味もないと思っていたので。でも皇治選手もK-1を盛り上げようといろいろ言ってくれるし、熱狂的なファンも多いので、向こうにもそれだけ熱があれば試合をしても盛り上がるだろうし、やる意味もある。後は決まれば、という感じ。でも一番はうるさいんで黙らせたいという感じ」と話す。
その皇治が最近「リスペクトしている」などと武尊に対しての態度が変わってきていることに関しては「あれがずるいんですよ(笑)。最初はあれだけ言っておいて、ちょっと“いい人”感出そうとしているじゃないですか。あれでファンはやられちゃうんでしょうね。そこがむかつきますね。だから分からせようかな、って」と苦笑い。そして「新生K-1初の大阪大会は皇治選手だけじゃ盛り上がらないと思うんで、出たいと思っている」と続けた。
武居はアクラム・ハミディにあっという間のKO勝ち
武居はフランスのアクラム・ハミディと対戦。1R1分42秒、KOで勝利を収めた。ハミディは序盤からアグレッシブに前に出る。前蹴りでバランスを崩す場面もあった武居だったが、自らのミドルがローブローになり中断となった後の展開で、すっと距離を詰め右アッパーから左ストレートのコンビネーションを決めるとハミディは大の字でダウン。そのまま立ち上がれず、あっという間にKOで試合を決めた。
「これからは強い外国人選手とやりたい」日本人選手については「挑戦待ってます」
武居は試合後の会見で「1RでKOで勝てて良かった。最初はやりづらくて押されてしまった。自分から動いて相手のリズムに合わせないようにしようと思っていた。うまく蹴りからパンチにつなげられた」と試合を振り返った。
そして「大阪大会は呼んでいただければ出たい」としたうえで「これからはどんどん強い外国人選手、タイの現役チャンピオンなんかとK-1ルールでやってみたい。日本人選手は若い子たちが強くなっているので、挑戦してくるのを待っています」と今後の戦い模様について語った。
◆プレリミナリーファイト第1試合/K-1スーパー・バンタム級/3分3R
◯小倉尚也(スクランブル渋谷)(1R38秒、KO)リョウタ(鷹虎ジム)●
◆プレリミナリーファイト第2試合/K-1ライト級/3分3R
◯東本央貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)(判定2-0=28-28、29-28、30-27)瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス)●
◆K-1甲子園2018 ~高校生日本一決定トーナメント~ -55kg決勝戦/2分3R・延長1R
●笠見瑠伊(茨城/鹿島学園高校2年)(3R33秒、KO)多久田和馬(神奈川/岸根高校1年)◯
◆K-1甲子園2018 ~高校生日本一決定トーナメント~ -60kg決勝戦/2分3R・延長1R
◯山浦力也(長野/佐久平総合技術高校3年)(判定3-0=30-28、30-28、30-27)清水隆誠(大阪/美原高校3年)●
◆K-1甲子園2018 ~高校生日本一決定トーナメント~ -65kg決勝戦/2分3R・延長1R
◯近藤魁成(大阪/西成高校2年)(判定3-0=30-27、30-27、30-27)大庭龍華(東京/練馬工業高校1年)●
◆第1試合/K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント・リザーブファイト/3分3R・延長1R
◯RUI(K-1ジム蒲田チームキングス)(3R2分49秒、KO)古田 太一(ポルティファミリアジム)●
◆第2試合/K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント・一回戦(1)/3分3R・延長1R
●OD・KEN(ReBORN経堂)(EX1R39秒、KO/本戦判定0-1=29-29、30-29、29-29)シナ・カリミアン(WSRフェアテックス・イラン)◯
◆第3試合/K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント・一回戦(2)/3分3R・延長1R
◯K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning)(1R2分37秒、KO)ブライアン・ミクグラス(上州松井ジム)●
◆第4試合/K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント・一回戦(3)/3分3R・延長1R
◯杉本 仁(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)(判定3-0=30-29、29-28、30-28)アンドレ・グロース(Firewalker Gym)●
◆第5試合/K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント・一回戦(4)/3分3R・延長1R
●上原 誠(士魂村上塾)(1R1分5秒、KO)ブバッカ・エル・バクーリ(Siam gym)◯
◆第6試合/スーパーファイト/K-1スーパー・フェザー級/3分3R・延長1R
●郷州征宜(K-1ジム総本部チームペガサス)(判定0-3=28-30、28-30、28-30)スアレック・ルークカムイ(STURGIS新宿ジム)◯
◆第7試合/スーパーファイト/K-1ライト級/3分3R・延長1R
◯安保瑠輝也(team ALL-WIN)(3R44秒、KO)林 健太(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)●
◆第8試合/スーパーファイト/K-1フェザー級/3分3R・延長1R
●小澤海斗(K-1 GYM EBISU FREE HAWK)(判定0-3=27-30、27-30、27-30)芦澤竜誠(K-1ジム総本部チームペガサス)◯
◆第9試合/K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント・準決勝(1)/3分3R・延長1R
◯シナ・カリミアン(判定3-0=30-27、30-28、30-27)K-Jee●
◆第10試合/K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント・準決勝(2)/3分3R・延長1R
●杉本仁(2R1分40秒、KO)ブバッカ・エル・バクーリ◯
◆第11試合/スーパーファイト/K-1スーパー・フェザー級/3分3R・延長1R
◯皇治(TEAM ONE)(延長判定2-1=9-10、10-9、10-9/本戦判定1-0=30-29、30-30、30-30)スタウロス・エグザコスティディス(Nasos/Mejiro Gym)●
◆第12試合/スーパーファイト/K-1スーパー・バンタム級/3分3R・延長1R
◯武居由樹(POWER OF DREAM)(1R1分42秒、KO)アクラム・ハミディ(Team Valente)●
◆第13試合/スーパーファイト/K-1スーパー・フェザー級/3分3R・延長1R
◯武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)(1R2分9秒、KO)ダニエル・ピュータス(Ultimatum Fight School)●
◆第14試合/K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント・決勝戦/3分3R・延長1R
◯シナ・カリミアン(判定2-0=29-28、28-28、29-28)ブバッカ・エル・バクーリ●