デビルマンやキューティーハニー…老舗の銘酒がセクシー&クールに“変身”
一見、海外のスタイリッシュなワインボトル…と思いきや、よく見れば描かれているのは、漫画家・永井豪が生み出した大人気キャラクター『デビルマン』。漆黒の魔界の闇にデビルマンが浮かび上がる、ダークなボトルデザインの黒麹芋焼酎。その名も「魔界への誘(いざな)い」。
「魔界に誘われるような悪魔的なうまさ」。そんな意味を込めたこの焼酎は、元禄元年(1688年)から続く佐賀県の老舗・光武酒造場の人気銘柄。2年間、甕(かめ)で熟成させた、スッキリとした飲み口ながら芳醇な味わいが特徴の焼酎だ。今年9月に永井豪画業50周年記念商品として、このコラボボトル版の販売を開始。当初の想定より2倍近い、過去最高ペースで売り上げているという。同じく、同酒造のハチミツを使った梅酒は『キューティーハニー』とコラボ。こちらも厳選された国産の梅の実と国産ハチミツを使い、1年以上熟成させたこだわりの梅酒。アクセントのブランデーと梅の風味が華やかに香る。
老舗酒造と名作アニメ。この異色のコラボをプロデュースしたのは監督・アニメーターの和田卓也氏。今回の「デビルマン 魔界への誘い」のデザインも手掛けている。
「魔界に誘われるほどのおいしさを、デビルマンのダークな魅力と掛け合わせて表現しました。特に意識したターゲットがあるわけではなく、コレクタブルなデザインにしたかったんです。アニメファンでなくても手に取りやすく、飲み終わっても部屋に置いておきたくなるようなデザインを心がけました。結果的に普段、焼酎をあまり飲まない人や海外の人の目にも止まるデザインになったのではないかと思っています」と和田氏。『はちみつ梅酒キューティーハニー』のラベルデザインを手掛けたイラストレーターの松田りおん氏は「キューティーハニーは私も子供のころから大好きなキャラクター。永井先生にもチェックしていただきながら、ハニーの強くてかっこよくてセクシーな魅力を表現しました。女性好みの芳醇な香りの梅酒なので、ぜひ女子会などで“ハニーフラッシュ!”と盛り上がっていただければ(笑)」。
一方、日本酒からはキューティーハニーに加え白鳥のジュン、ドロンジョという70年代の3大セクシーキャラクターをモチーフとした「SEXY美女日本酒」が登場。ポニーキャニオンの地方創生プロジェクト「ウルトラJ」と、日本酒のセレクトショップ「未来酒店」、明治22年創業の徳島県の老舗・三芳菊酒造によるコラボとなる。
企画をプロデュースしたウルトラJ商品プロデューサー岩﨑真由子氏は「国内外の幅広い方々に興味を持っていただけるようアート風に、かつ原作忠実に再現したデザインをコンセプトにしています。当時のことを懐かしんでもらいたい思いもあり、それぞれ名シーンを盛り込んでいます。3種類のお酒ということで、このキャラクターだからこの味、というふうに楽しんでもらえるようなキャラ選択をしました」と語った。「白鳥のジュン」は純米吟醸にごり、「キューティハニー」は甘口純米吟醸、「ドロンジョ」はワイン酵母使用山廃仕込み。キャラクターを知る世代なら、酒の味とキャライメージとの比較や飲み比べも楽しめそうだ。
デザインに引かれて手に取れば、老舗酒造のこだわりの酒との出会いが待っている。キューティーハニーさながら華麗に“変身”したコラボボトルが、新たな焼酎ファン、日本酒ファンの入り口となるかもしれない。