二ツ目さん数珠つなぎ【第2回】 春風亭昇也「お客さんとは“一語一会”。今日しかできない落語を見せる」
落語ブームと言われて早ン十年。ブームはちょっと下火に?と思われているが、とんでもない。その頃まだ落語家の卵だった二ツ目さんが、現在の落語界を盛り上げている。そんなイキのいい元気な二ツ目さんを数珠つなぎでご紹介! 第2回は柳亭市弥さんからの紹介で、春風亭昇也さんが登場!
夫婦は顔が似てくるとよく言われるが、弟子も師匠に似てくるものなのか。昇也の師匠は、笑点の司会でおなじみの春風亭昇太。丸顔とメガネ、そして周囲をパーっと明るくする佇まいがそっくりだ。
「メガネのせいなのかよく言われます。最近では文珍師匠にも似てるって言われていますが(笑)。実は僕、漫才師だったんですよ。漫才コンビを解散した後、落語家になりました。もともと落語は好きでしたが、解散して次に何をやろうかと考えた時は、落語家になるつもりはありませんでした。好きな落語は趣味のままにしておいたほういいんじゃないかと思っていたので。でも、自分が30歳になった時に、やっぱり落語家になろう!と思っても遅すぎる。だったら先になるだけなっちゃおうって(笑)。うちの師匠に入門したいと思ったのは自分の求める師匠像だったから。まず、古典だけではなく、新作もやっている人。しかも、その新作が大衆的である人。そして面白いというのはもちろんですが、楽しそうに生きている人。こんな大人になりたいなと思える人がいいなと考えると、うちの師匠しかいないと。今は昇太一門に入門できて大正解という気持ちです。11年前に落語家になろうと思った自分を褒めてあげたい(笑)。あの時、ピン芸人になっていたり、新しいコンビを組んでいたりしたら、9割方まだバイトをしていたと思います。多分、結婚もしていなかったんじゃないかな。そう思うと、あの時決断した自分はえらい(笑)!」