中村勘九郎と阿部サダヲ『いだてん』登場シーンはインパクト大
1月6日にスタートする大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の第1回完成披露試写会が14日、都内で行われ、主演をリレーする中村勘九郎と阿部サダヲが出席した。
日本で初めてオリンピックに参加した金栗四三と、日本にオリンピックを招致した田畑政治がつなぐ、1964年東京オリンピックが実現するまでの、日本人の泣き笑いを刻む物語。中村は金栗、阿部が田畑を演じる。
第1回「夜明け前」では、1959年の五輪招致前の東京、そこから50年前の日本のオリンピック初参加時の話と時代を行き来する。スポーツという言葉が知られていなかった日本で、柔道の創始者である嘉納治五郎がストックホルム大会(1912年)を目指して悪戦苦闘する。
中村は「脚本が面白くて映像的になったときにどうなるのかと思っていたんですが、もう衝撃的だった。怒涛のように登場人物が出てきて、時代は変わるわ場所は変わるわで、これからものすごい1年が始まるぞっていう視聴者の方たちに叩きつけた挑戦状のようで見ていてワクワクした。何回かご覧くださった後で見返していただくと、こんな伏線がはってあるんだなという1話になっている」。
「自分がそんなに出ていないので客観的に見られた」という阿部は「面白かった」と一言。自身が隅田川で泳ぐオープニング映像について触れ、「(ビート)たけしさんから始まるオープニング映像は、僕が見た中でああいうのはない。隅田川を泳ぐって言われて何を言ってるんだろうと思ったけど、ちゃんと泳いでました(笑)。オリンピックの開会式の映像が出てきた時は僕ももウルっときましたね、いい表情したなって」と話した。
訓覇圭制作統括は「ドラマはもともとフィクションだが、意外と事実が多い」といい、「いつも(脚本の)宮藤官九郎さんと、考えたっぽい事実が多くて悔しいよね、と」。
創作したエピソードだろうと想像する場面も多いが、本当にあったエピソードがベース。インパクトのある中村の登場シーンもそのひとつで、中村は「赤い顔して出て来たんですけど、塗料が落ちて血のように流れていたという事実があって。それを隈取にしたいと言われて、どうかしているな、NHK大丈夫かと思った(笑)」
阿部演じる田畑のせっかちさを表現するシーンや、金栗の盟友になる三島弥彦らの戦前のスポーツ団体天狗倶楽部が脱ぎがちであることも、事実がベース。「(田畑さんは)渋滞している車を降りて、前の車を押したんですって。本当にあった話。それを視聴者に伝えたい。本当にあったエピソードしかやってない、と(笑)」
放送開始まで1カ月を切った。
「大河ドラマと銘打っていますけど日曜8時に楽しいドラマをと作り上げてきた」と演出の井上剛。
中村は「インパクトのある登場ができたので、2話、3話と楽しみにしてほしい」と話していた。
第1話は2019年1月6日スタート。初回は60分拡大版。総合では午後8時、BSプレミアムでは午後6時から。BS4Kでは午前9時から。