【インタビュー】平井大、平成最後の映画『ドラえもん』主題歌を歌う

　サウンドの面でいえば、これまでに数々のアーティストがしてきたように、自分自身の、平井らしさをナチュラルに漂わせる仕上がりだ。そこはかとなくヴィンテージ感があって、心地よくて、温もりがある。スムースで、リラックスしているのに、聞いた後には「これは大事にしたい感覚だ」という熱っぽい気持ちが残る。

「親の世代に懐かしい気持ちを感じてほしいというのがまず一つあって、それを一緒に見に行った子どもたちが両親が青春を過ごしてきた時代の音楽を新鮮なものとして捉えてもらえるようなきっかけになったらいいなと思います。僕自身は昔の音楽からのインスパイアがすごく多いんですけど、それは自分の父が聞いていた音楽が自分の隣にあるからだってことには間違いないですし、そのなかで自分がこれが好きだなって思ったものを、ピックアップして、聴くようになっていったんだと思うんです」

「作品というのは受け継がれているものだし、受け継がれていく工程を経て、それが文化としてまた新しいものを生んでいく」と、本人。

「90sや80sのカルチャーが見直されていて、めちゃめちゃ新しい曲でニュージャックスイングの雰囲気が前面に出ている曲があったり、アナログシンセをいっぱい使った曲があったりします。そういった曲って、音楽の歴史やこれまでの音楽の流れが培ってきたものなんですよね。その前には、ロカビリーがあり、ロックンロールがあり、ブルースがあり、カントリーがあったりする。そのうえで、今のポピュラーミュージックができているし、そうやって後世に受け継がれていくような音楽を作っていきたいと思っています。そういった意味でも、今回の『ドラえもん』はすごいうれしかった」

『THE GIFT』が全国の映画館やテレビCMで流れ始めた。きっと、これまで届かなかった人の元にも、平井の声が届くだろう。

「2019年は充実した1年になると思います。たくさんのものを残す、たくさんの贈り物ができる年にしたいと思っています」

　平井のギフト、まずは受け取って。（TOKYO HEADLINE・酒井紫野）