城田優とCrystal Kayが『PIPPIN』ナンバーを熱唱!「オリジナル超える」
ブロードウェイミュージカル『PIPPIN(ピピン)』日本語版の製作発表が27日、都内で行われ、主演の城田優、Crystal Kay、中尾ミエ、前田美波里が出席。劇中で歌うナンバーを披露し、報道陣や招待客を圧倒した。
ブロードウェイ屈指の名作ミュージカル。悩める若き王子ピピンが、美しくカリスマ的な“リーディングプレーヤー”率いるアクロバットサーカス一座に誘い込まれ、「特別な何か」を探し求める旅に出る。そのなかでさまざまな人たちに出会い、展開する物語。
1972年にボブ・フォッシーによる演出と振付で初演され、1977年までロングラン上演。2013年にはダイアン・パウルスによって新演出版が発表され、トニー賞を4部門で受賞した。新演出版は、ボブ・フォッシーのスタイルを踏襲した刺激的なダンスと、シルク・ドゥ・ソレイユ出身のアーティストが手掛けたサーカスアクロバットを大胆に取り入れ、これまでにない新しいミュージカルエンターテインメントになっている。
本作はその新演出版をそのまま日本へ持ち込む。
主人公を演じる城田は「キャストだけは変わりますが、いわば来日公演みたいなもの。画期的かつ世界のトップのエンターテインメントが日本で見られるという機会です。ニューヨークで見て人の心を動かすものがめちゃくちゃ大きかったのもあって出演を決めたので、損はさせません。日本人キャストがしっかりと食らいつき、一人でも多くの方に見ていただいて、元気とか勇気とかやる気、夢や希望をたくさん分けられるようなプロダクションにしたい」と、意気込む。
悩める若き王子を誘うリーディングプレーヤーを演じるのはアーティストのCrystal Kay。出演にについて「ミュージカルに出させていただくのが初めてで、しかもブロードウェイミュージカル。こんなに素晴らしいチャンスをいただけたことにすごく感謝しています。その新しいチャレンジを友人でもある城田さんと一緒にできるのもうれしい」。
また、出演のきっかけは城田からの「一緒にブロードウェイミュージカルやらない?」というLINEのメッセージだったことを明かし、「ニューヨークで作品を見ていたので、これは本当にご縁だなと思った。今年でデビュー20年ですけど、自分のキャリアのなかで一番のチャレンジ。とにかく必死に頑張って、オリジナルのリーディングプレイヤーよりも良かったと言ってもらいたい」と、静かに闘志を燃やしているようだった。
中尾と前田はWキャスト。ピピンの祖母バーサを演じる。
中尾は3度目のバーサ役だというが新演出は初めて。「今までやったなかで一番大変です。私たちが出るのは(『No Time At All』を歌う)ここだけなんですけど、たぶん一番大変なことをやらされる。美波里さんと2人で良かったねと言っています。歌は、“いつの日かお前も私の年になる”って、まさに自分たちの気持ち。とても歌いやすいです」
前田も「人生っていうのは謳歌しなさい、そうじゃないとダメよ。もっともっといろんなことは起こるだろうって。私も今70でいろんなことがありましたけど、あなた自身が選んで進んでいかないと楽しくなんかないよということを歌っている歌なんです。如実に婆さんだし、役名もバーサ。すごい勢いでどうしたらいいのか分からないけど、ぴったりですよね」と、笑った。
中尾によれば、舞台上で行われる「大変なこと」に備え、懸垂10回ぐらいはできるようにしておいてほしいと言われているという。そのために、毎朝、近くの公演のうんていにぶら下がるトレーニングをしているという。前田もジムでの運動に加え、「いま帝劇に出てるんですけど、そでのあたりに誰かの棒があるんですね、お邪魔してそれを……」と笑っていた。
城田もCrystal Kayもオリジナルを超えたいと強調する。この日歌唱のために、出演者たちは衣装を取り寄せて着用していたそうだが、城田だけサイズが合わず特注したそう。城田は「城田サイズじゃなかったです。サイズだけはすでにブロードウェイを越えている」と笑っていた。
ほか出演に、今井清隆、霧矢大夢、宮澤エマ、岡田亮輔ら。
6月10~30日まで、渋谷・東急シアターオーブにて上演。チケットは3月2日発売。