オタクも2.0! アニソンDJイベント行ってみたらダサいオタクがいなかった

jumeaux 撮影・toshimura


「電車男」はどこにもいない……



 デイタイムのイベントで、昼の13時スタートという早めの開催にも関わらず、開演直後から人の入りは上々。

 DJ陣はおしゃれで、クラブのイメージに合う、ネオ渋谷なスポーティーファッションの人が多い。見まわしてみると……ふ、フロアもオシャレ! チェックシャツを着ている人は誰もいないし、動きやすそうなTシャツ、トレンドであるプルオーバージャケットなどにスニーカーというコーデの女子たちは、渋谷を普通に歩く「非オタ」な女子たちと変わらない。男子も、クラブに映える蛍光カラーのショートパンツという超難関アイテムをサラリと着こなしている。オーバーサイズな古着風ファッションの人も多い。

 なんだこれ、もしかして、多くの人に刷り込まれたイメージの“オタク”はいないのでは? クラブ好きが集まっているだけなのか?

 しかしその瞬間、アニメに詳しくはない記者にはさっぱり分からないアニメのOP風の声優ソングが流れ、フロアがわっと湧いた。その勢いはオタクそのもの。でも、そうだとしたら……オタク、おしゃれじゃん!
 
 これは一体どういうことなのだろう。アニメキャラに発狂するおしゃれさんたちは、まごうことなきオタク感をまとっている。


推しキャラの色を取り入れて……オタクはファッショナブルに!



 イベントを主催する、jumeauxの2人に、今のオタクのファッション観について尋ねてみた。

alice「今のオタク、昔よりおしゃれな人が増えていると思います。ビームサーベルとかシャツインとか、見る事は減りました」

poyo「コンテンツにお金をかけたい!という考え方自体は変わっていないんですけどね。昔はアニメが好きって言えなかった人たちも、SNSというコミュニティができて、オタクとして生きやすくなったから、対外性のようなものをまるきり度外視する人は少数派だと思います」

alice「アニメグッズもおしゃれになっているし、”ザ・キャラTシャツ”という感じのものはもちろんありますが、女性向けの作品のグッズを中心に、さりげなく持てるようなものが増えています。推しキャラの色を日常に取り入れたりする人が増えていて、ファッションを楽しむオタクの層がいるのは確かです」

poyo「jumeauxの服もそんな”さりげなさ”はコンセプトの1つになっていますね。今季の春夏コレクションは、トレンドであるリネンを使ったセットアップがイチオシなんですが、生地の色に馴染むようにイラストがプリントされています」

alice「おしゃれのことがよく分からないオタクにも、ファッションに興味あるオタクの層も、服っていいなと思ってもらうきっかけになれたらいいな、というのが私達のコンセプトなんです」