水谷豊監督『轢き逃げ 最高の最悪な日』中山麻聖 × 石田法嗣インタビュー
結婚式を目前に控えたエリート青年とその親友が若い女性をひき逃げしてしまう事件を軸に、関わる人々の葛藤を見つめ、人間の底知れなさをあぶりだしていくヒューマンサスペンス。脚本・監督は俳優として監督としてゆるぎない評価を得る水谷豊。その水谷監督に見いだされた中山麻聖と石田法嗣が監督とともに乗り越えた難役を振り返る。
撮影・蔦野裕[中山麻聖]ヘアメイク・浅見順子(WEST FURIE)スタイリスト:高橋正史(OTL)[石田法嗣]ヘアメイク・浅見順子(WEST FURIE)スタイリスト:高橋正史(OTL)
大手企業に勤め、副社長の一人娘との結婚を控えるエリート青年・宗方秀一は親友で同僚の森田輝を車に乗せて式の打ち合わせに向かう途中、若い女性をはねてしまう。「誰も見てない」。輝の言葉を聞いた秀一はそのまま車を発進させてしまう…!
初脚本も手掛けた水谷監督第2作となる骨太サスペンス。2人はオーディションを受けた時点では、水谷豊監督作であることを知らなかったという。
中山麻聖(以下:中山)「秀一役に決まってから届いた台本を開いたら“監督 水谷豊”とあって、びっくりしました(笑)。最初にお会いした日は頭が真っ白でした。芝居のことも考えなきゃいけないし水谷さんと初めてお会いして緊張するし…。よろしく!と言って握手を求めてくださった水谷さんの笑顔だけが鮮明に記憶に残っています」
石田法嗣(以下:石田)「僕は『相棒』の時にも一度、共演させていただいているんですが、覚えてるよと言ってくださってうれしかったです。でも“水谷監督”とのお仕事は初めてだったので最初に聞いたんです。“監督って怒るタイプですか、優しく指導するタイプですか?”って。そしたら“法嗣、2種類だけじゃないよ”と言われました(笑)」
中山「さすが(笑)」
石田「現場に入ってみると本当に3種類目でした。怒るとか優しくするとかじゃなく、きちんと説明してくださるんです。その役を演出するとき、監督ご自身がまず演じて見せてくれるんですよ」
中山「秀一の部屋で輝がジャンプしてベッドに飛び乗るという場面を監督が輝となってやって見せてくれたんですけど、あまりに急だったのと、動きがまさに輝そのものだったんで、ついポカンとしてしまったことがありました」
石田「輝が土下座をするシーンが何度かあるんですけど、監督はそれもやって見せてくれましたからね。あまりにも完璧な土下座をして見せてくださったので、これを超える土下座ができるだろうか、と思ってしまいました(笑)。最初に演じて見せてくれるので僕らはそこで正しいイメージをつかむことができて、それを自分に取り入れて自分の芝居にしていくという作業でした。ただ、監督の芝居を超えなきゃいけないというハードルが高くて(笑)」
中山「そうなんだよね(笑)。僕は撮影に入る前に監督から役を決め込むことなくフラットでいて、と言われていたので秀一のイメージをあまり作らず、現場で監督のお芝居を見て、それをまず吸収するという作業から入ったんですが、つい監督のお芝居に引き込まれてしまう自分がいました(笑)」
石田「僕は逆に作り込んでガチガチに固まってしまっていて、けっこう模索してしまったんですよね」
初脚本も手掛けた水谷監督第2作となる骨太サスペンス。2人はオーディションを受けた時点では、水谷豊監督作であることを知らなかったという。
中山麻聖(以下:中山)「秀一役に決まってから届いた台本を開いたら“監督 水谷豊”とあって、びっくりしました(笑)。最初にお会いした日は頭が真っ白でした。芝居のことも考えなきゃいけないし水谷さんと初めてお会いして緊張するし…。よろしく!と言って握手を求めてくださった水谷さんの笑顔だけが鮮明に記憶に残っています」
石田法嗣(以下:石田)「僕は『相棒』の時にも一度、共演させていただいているんですが、覚えてるよと言ってくださってうれしかったです。でも“水谷監督”とのお仕事は初めてだったので最初に聞いたんです。“監督って怒るタイプですか、優しく指導するタイプですか?”って。そしたら“法嗣、2種類だけじゃないよ”と言われました(笑)」
中山「さすが(笑)」
石田「現場に入ってみると本当に3種類目でした。怒るとか優しくするとかじゃなく、きちんと説明してくださるんです。その役を演出するとき、監督ご自身がまず演じて見せてくれるんですよ」
中山「秀一の部屋で輝がジャンプしてベッドに飛び乗るという場面を監督が輝となってやって見せてくれたんですけど、あまりに急だったのと、動きがまさに輝そのものだったんで、ついポカンとしてしまったことがありました」
石田「輝が土下座をするシーンが何度かあるんですけど、監督はそれもやって見せてくれましたからね。あまりにも完璧な土下座をして見せてくださったので、これを超える土下座ができるだろうか、と思ってしまいました(笑)。最初に演じて見せてくれるので僕らはそこで正しいイメージをつかむことができて、それを自分に取り入れて自分の芝居にしていくという作業でした。ただ、監督の芝居を超えなきゃいけないというハードルが高くて(笑)」
中山「そうなんだよね(笑)。僕は撮影に入る前に監督から役を決め込むことなくフラットでいて、と言われていたので秀一のイメージをあまり作らず、現場で監督のお芝居を見て、それをまず吸収するという作業から入ったんですが、つい監督のお芝居に引き込まれてしまう自分がいました(笑)」
石田「僕は逆に作り込んでガチガチに固まってしまっていて、けっこう模索してしまったんですよね」