ブラサカ日本一決定戦、若手躍進で目白台が決勝ファイナルへ!
体格を生かしたプレーが強みの横浜7番・齊藤悠希(写真・内田和稔)
若手とベテランが準決勝で激闘
東京会場・準決勝のカードは、若手とベテランの対戦。東京・文京区が拠点の「free bird mejirodai(以下、目白台)」は、筑波大学附属 視覚特別支援学校の中高生・OBで結成され、平均年齢23歳の若手チーム。元日本代表でエースストライカーの鳥居健人を中心に、日本代表の強化指定選手に選出された丹羽海斗や園部優月など、若手の成長も目覚ましい。
対するのは、神奈川・横浜拠点の「buen cambio yokohama(以下、横浜)」。日本代表の顔として長年活躍してきた落合啓士を中心に、女子日本代表の加賀美和子など、実力者揃いのベテランチーム。今大会でも優勝候補の呼び声が高かった「たまハッサーズ」を得失点差で下し、熾烈なグループ争いを勝ち抜いてきた。
試合は序盤、横浜がリード。得点能力の高い和田一文が先制点を決めたほか、落合や齊藤も積極的にシュートを放ち、ゲームを支配。だが、1―0で折り返した後半、ここから目白台が攻撃の波に乗る。残り9分、目白台エースの鳥居がゴールネットを揺らし、同点ゴール。そのわずか2分後、またしても鳥居が力強い左足シュートを放ち、逆転のゴール。決定的な1点を決め、1―2で決勝進出を掴み取った。
試合後のインタビューに答える鳥居。今大会でも勝利の立役者となった(写真・内田和稔)
若手の成長が、予選ラウンドで続々開花
試合後、鳥居の表情に浮かんだのは、喜びと安堵に溢れた笑顔。その理由は、自身の活躍だけでなく、若手の活躍にあった。
これまで代表経験のある鳥居が得点源となり、プレーを引っ張っていく試合が多かった目白台。だが、今回は違った。初日から園部、丹羽、吉備津蒼太など、若手選手が続々とゴール。彼らの才能が開花し、準決勝へと勝利のリレーをつないだ。「チーム全員が得点を狙っていけるチームにずっとなりたかった。こういう大会で決めてくれたというのは、本当に嬉しいですね。今回それが一番嬉しいです」と鳥居。山本夏幹監督も「福岡戦は園部の2点だけで勝った。これは、初めてかなと思う。喜びは大きいですね」と感慨深く語った。
FINALラウンドは7月7日。東京・調布を舞台に、決勝戦と3位決定戦が行われる。若い闘志で悲願の日本一なるか。ピッチを駆ける選手たちの激闘に注目だ。
(文・丸山裕理)