【インタビュー】橘ケンチ「魍魎の匣」に「いい予感」 21日の開幕に向け“修行”の日々
橘ケンチが京極夏彦の超絶ミステリーに挑戦する。人気の「百鬼夜行」シリーズのなかでも傑作との呼び声が高く、映画化もアニメ化もされた「魍魎の匣」を舞台化する。「いい予感がしている」と21日に迫った東京公演の開幕に向けて、日々“修行”を重ねているという橘に聞いた。
撮影・蔦野裕 スタイリスト・jumbo(speedwheels) ヘアメイク・MAKOTO (juice)
「魍魎の匣」はこの上ない作品だった
――最初に、どういった経緯で、ケンチさんが「魍魎の匣」に取り組むことになったのか教えてください。
きっかけは丸山ゴンザレスさん(ジャーナリスト、『クレイジージャーニー』などに出演)と飲んでいたことです(笑)。舞台の日程は決まっていたんですけど何をやるか決まっていない状況で、原作を探していました。その時にゴンザレスさんから京極先生と仲が良いことや、京極先生はご自身の作品の舞台化や映像化に協力的な方だと聞いて、プロデューサーにも相談しました。それで「魍魎の匣」の案が出て、お願いしたんです。
――このタイミングで舞台に取り組もうと思った理由はありますか?
それは、縁というか。プロデューサーから、このタイミングで一緒に何かやらないかと声をかけてもらったんです。それで、一緒に考えましょうと。
――その“何か”が、原作ありきのストレートプレイだった理由はありますか?
実際、いろんな案があったんですよ。ミュージカルとか音楽劇とか、ダンスを取り入れたものであるとか。そのなかで、いろんなタイミングと、いまの自分自身に似合うもの、年齢であるとかそういった要素も含めて考えた時、ストレートプレイだろうと。
原作ものだったことについては、準備期間が潤沢にあったわけでもなかったので、オリジナルで作るのと原作を探すのでは、後者の方がいいものができると思いました。そのうえで、この「魍魎の匣」はこの上ない作品だったと思います。