【インタビュー】橘ケンチ「魍魎の匣」に「いい予感」 21日の開幕に向け“修行”の日々



上手くいく流れが来ている。油断せずに、流れに乗っていきたい


――初日も近づいてきました。手ごたえはいかがですか?

なんだか今回、いい予感がするんです。上手くいく流れが来ている感じがしています。油断せずに、その流れに乗っていきたいですね。

――その「いい予感」って?

 要所要所でいい分岐点がある感じがしているんです。これまで舞台に臨む時は自分への心配事が多かったんですよ、「できるのかな」とかね。今回も、ないわけじゃないですよ。でも、キャスト、スタッフ、座組全体がいい感じで集まってきていて……心強いんです。素直に、みんなに頼っていこうと。そのほうがずっといいところにたどりつける気がしているんです。

――チームワークがいい、ということでしょうか。

 芝居をやるうえでの、ベースの関係って、大切です。そう思えるのも、やっぱり、これだけの原作があるからだとは思っています。原作がすごいんだから、それは上手くいくわ!っていう。既にすごい武器を持たせていただいているので、100ある素材を、生かすも殺すも自分たち次第。舞台なりの105で伝えられる雰囲気も整ってきています。

――最後に、本番はどんなことを期待していいですか?

 ハッピーエンドではありません。決して、明るい作品ではないので、それを期待してくるとすごい落ちるかもしれない(笑)。ただ、僕も映画や舞台が好きでいろいろ見に行くんですけど、ずっと心に残るのはバッドエンディングなものが多いんです。心にズシンと突き刺さって、何年もそれが抜けなくて、ふとその時に戻って考えさせられたりする。それって、作品の力が強いということだと思っています。この作品もそういう作品になると思います。原作を読んでいなくても分かるような作りにはしたいですが、でもたぶん、そんな簡単にはならないと思う。難しすぎず、簡単すぎずの絶妙なラインを、この座組で追求していきたいと思います。


(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)
舞台「魍魎の匣」
●東京公演【日程】6月21~30日【会場】天王洲 銀河劇場
●神戸公演【日程】7月4~7日【会場】AiiA 2.5 Theater Kobe
【料金】全席指定 8500円

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