橘ケンチ主演舞台『魍魎の匣』が開幕!「記憶と心の奥底にズシリと刺さる作品を」
最終通し稽古の前には、橘をはじめ、内田朝陽、高橋良輔、北園涼、高橋健介、紫吹淳、西岡徳馬の主要キャストが取材に対応。橘は「これまで1カ月間、この座組で培ってきた稽古、積み上げてきた思いをお客さんに届けられることをうれしく思います。『魍魎の匣』という作品が舞台という形態で、どのような匣が開くのか楽しみにしていただきたい」と、胸を張った。
橘は、初日を迎えるまでに、京極の自宅を訪ねたことを明かし、「日本一の書斎だと聞いていた」という京極の書斎を体験したという。「本棚に本がみっしりと、きれいに計算されて詰まっているんです。いままで京極先生が生きてこられたなかで手に入れた本はすべて保存されているそうで、自分の人生を彩った財産を所蔵されている。そのスタンスが『魍魎の匣』のなかの役柄に生きているんだろうなと思いました」。
京極は顔合わせに出席した際に、原作のことは気にせずに面白いものをつくってほしいと伝えたという。その言葉によって、キャスト陣はプレッシャーを感じながら稽古を重ね、緊張で張り詰め重みのある舞台の上とは違い、稽古場では、みんなで食事にいったり座長の橘を中心に、和気あいあいだったそう。
演出の松崎史也は「フィクションやエンターテインメントの担う役割の一つに、現実社会を生きる支えや備えになることというのがあると思う。この作品をみることで、お客様のなかに、備えや支えがひとつ加われば」。また、「俳優・橘ケンチの代表作になると思う。役者たちがすばらしいので、このメンバーでシリーズを続けたいなと勝手に思っている」と話した。
「ハッピーエンドの作品ではない」と、橘。「みなさんの記憶と心の奥底にズシリと刺さるようなインパクトを届けられるような作品になると思う。キャスト一丸で千秋楽まで臨みますので、劇場で体感していただければ」とコメントした。
30日まで同所で。7月4~7日で、神戸公演がある。