【学生起業】起業を意識する学生×学生起業家 「学生起業あるある」座談会
【学生のニーズに合った起業支援を】
末冨「まだ大学も企業も、起業や新規事業を考える学生のニーズをとらえることができていないと思うことがあります。そういう意欲のある学生がやりたいこと、やってきたことが特に就活における評価軸につながらず、企業側に合わせていかなきゃいけない状況はもったいないなと」
宮脇「確かに大学の授業プログラムと社会で求められているスキル面の差は感じますね。教育学部を出た人が消去法的に営業に配属されるとか。もちろん学んだことを生かしていけるならいいけれど。日本も海外のように大学の中で社会に向けたスキル面を意識して行ったらいいのでは、というのは思いますね」
渋谷「まあ、企業のニーズに合わないから起業するのでは? 支援ということだと、大学でも自治体でもいいんですけど、オフィスにできる場所を安く貸してくれないかな、と。自分のアパートの部屋は登記できないし」
石原「実家とかもダメなんですか?」
福井「持ち家なら大丈夫だけど、オフィス貸しをしていない大概の賃貸はダメだと思ったほうがいいですね」
【先輩学生起業家からアドバイス】
福井「起業のタイミングなんですけど、僕は大学1年で起業したせいで、現在、創業5年目になってしまい、ほとんどの助成金の対象外になってしまって。それを知らずに、まず形だけでもと登記すると、肝心な時期に助成金の対象外になりかねないので登記するタイミングは見極めたほうがいいと思います。訳が分からないうちに年数だけ経ってしまって税金は持っていかれるし助成金はもらえなくなるし。あと、起業のために休学するときは本当に必要かよく考えたほうがいいかなと」
宮脇「僕も休学する予定なんですけど、とりあえず休学するのは僕もナンセンスだと思います。あくまで次のアクションのためにどうしても時間が必要という場合でないと」
福井「石原さんは、ヘルスケアや健康の分野に興味があるということですが、もうかる部分を探すより社会損失を探すとビジネスモデルを立てやすいかもしれません。末冨さんの事業プランはAI教育のプログラムを学生に提供して社会とのマッチングをするプラットフォームを作ってマージンによる利益を得ようというものだと思うんだけど、大学のブランドを活用するとか、大企業がすでに作っているものとの差別化を考えるといいかも、という印象。あと、僕もいろいろな仕事をしてこれだという事業を立ち上げたので、渋谷さんもいろいろやってみてイケるなというものが見つかれば、ビジコンに出していろんな人にぶつけてみたりして、起業につなげていけばいいんじゃないかな」
高久「僕は、これは学生起業に限りませんが、やはり理想を持って起業してほしい、というのはあります。人によって違うとは思いますが、僕自身は自分が本当にやりたいことだから起業できたし続けられるという感覚があるので。仲間集めにしても、大学生ならいろいろな学部の人とも接点があるし、社会人も含め自分の理念に賛同してくれる人を探すべきだと思う。人が集まらないとしたら自分のビジネスがイケてないということだから、それも気づきになるはずです」