【インタビュー】女王蜂・アヴちゃん 舞台『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』待望の日本公演!
女王蜂・アヴちゃん(撮影・蔦野裕 ヘアメイク・木村ミカ)
ヘドウィグ役・浦井健治と火花を散らしたい!
ヘドウィグを思いながらも、縛られるような関係に人知れず苦悩するイツァークは、とても難しい役どころ。
「映画や舞台など参考のためにいろいろな『ヘドウィグ—』を見てみたんですけど、作品によってまったく描かれ方や演じ方が変わってくるキャラクターだな、と思いました。今回、演出の福山桜子さんは“舞台にヘドウィグとイツァークの2人しかいないのに、この熱量はなんなんだと、マグマのような人間力を感じる舞台にしたい”ということを仰っているんですよね。私のイツァーク役は、そこも期待されてのことだと思っています。イツァークは、いろいろな思いを内に秘めた無口な人だから、そんなイツァークが自分自身をどこでどれくらい見せるか、というのもポイント。私としては、一見無口であっても決して飼い殺しにできない、目に光を宿したイツァークを表現したい。ヘドウィグに遠慮している部分だけじゃなく、遠慮できない思いも出さなきゃいけない、と。浦井健治さんが演じるヘドウィグが本気で“あんた引っ込みなさいよ!”と言うくらいのイツァークを演じたい。浦井さんとバチバチ火花を散らすようなマグマを舞台に持ち込みたいです」
2017年にもミュージカルの舞台『ロッキー・ホラー・ショー』に女王蜂のメンバーとともに出演。アヴちゃんにとって舞台の魅力とは。
「演じる側の魅力としては明晰夢というか、夢を見ている最中にこれは夢だと気づいて、手綱を握りつつ夢の世界を楽しんでる、みたいな感覚を味わえることかな。いいカンパニーでの舞台は、すごい万能感を感じることがあって、それがすごく好きです。見る側としての魅力は、やっぱり二度とない瞬間をその場で目の当たりにできるという、ぜいたくな体験だということ。ふりしぼった人間力を生で見せてもらえるなんて、ぜいたくだなと思います。もちろん映画も好きです。『下妻物語』とか『ブリジット・ジョーンズの日記』とか、自分の目的に素直な主人公の話が特に好きですね。舞台や映画はよく見るけど、基本的に“そんなことあるわけないじゃん”みたいな感じにはならないです。そういうこともあるんだなあ、って思う。そういう共感が刺激になることもあるし、逆に何この映画ムカつく!って感じたことから曲ができることもあります。映画とか舞台って本当におもしろいし不思議。でもやっぱりライブが一番好き! 私にとってはライブで味わえる全能感が一番すごいです。いいライブを見た後って、何でもうまくいくような気がしてくるし、何年経っても、そのときのライブのことを話せるし。まっすぐに、その人間力を浴びることができるのってライブなんじゃないかな、って思うんですよね。どの場所で聞いていても良いライブは良いし、役を演じているわけでもないから、歌っているときは自分のすべてが放たれている気がするし、歌い手のすべてを受け取っているような気がする。って危険だな、と思いますね」
もし、いつか女王蜂がミュージカルの舞台になったら…?
「ヤバイ舞台になるでしょうね(笑)。でも楽しそう! 私の役を演じる人は大変そうだけど。年をとって、そんな舞台を見ることができたら最高。今は、私たちのハイライトは現在進行中だから、もっとずっとあとでいいですけれど」