世界柔道2019 丸山城志郎vs阿部一二三 激闘のラストシーン 【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。
撮影/文章:長田洋平 (2019年8月26日  世界柔道2019 男子 66kg級 準決勝)
丸山城志郎と阿部一二三は、世界柔道の舞台で再び相まみえた。

これまで幾度となく激闘を繰り広げたライバル同士の一戦。
ただの準決勝ではなくオリンピックレースを制する上で大きな意味を持つ試合であることは、見ている者の多くが理解していたことだろう。

試合開始間もなく丸山にハプニングが起こる。
最初の組手の際に指を痛めてしまい、その2分後、今度は足を引き摺る素振りを見せた。
誰の目から見ても満身創痍の丸山に「続けるのか」と周囲のカメラマンもざわついた。

僕はちょうど丸山の正面にポジションを取っていたために彼の表情が良く見て取れた。
痛みに顔を歪めるでもなく、何事もなかったかのように相手に向かって歩みを進める。
状況にそぐわない異質な平常運転は、果敢を通し越して不気味にすら感じた。

対する阿部も前戦の激闘で痛めたまぶたを腫らしている。
お互い総力戦の様相を見せた一戦は、丸山の代名詞とも言える巴投げからの合わせ技で勝負が決まった。

写真は、世界柔道2019のハイライトになるであろう激闘のラストシーン。
技が決まった後も阿部の腕は、丸山の道着から離れなかった。


【カメラマンプロフィル】
撮影:長田洋平
1986年、東京出身。かに座。
早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。
2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。
最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。
今年の目標は英語習得とボルダリング5級。
アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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