2年目のTリーグ開幕。前年覇者の木下マイスター東京が岡山との接戦制す【8・29 Tリーグ】

ビクトリーマッチを制し勝利の雄叫びの水谷(撮影・蔦野裕)
ビクトリーマッチは水谷が勝利。「胃が痛い。緊張する」

 2勝2敗になった場合に行われるビクトリーマッチに出場する選手は改めて発表される。

 岡山の白神宏佑監督は上田、木下の邱建新監督は水谷をそれぞれ指名した。

 試合は上田が先制も、水谷が4ポイント連取で逆転。ここで岡山がタイムアウト。明けて水谷が1ポイント取ったものの、コートチェンジ後、上田が3ポイント連取。1点差に迫ったところで今度は木下がタイムアウト。

 再開後は水谷が5ポイント連取して、一気にマッチポイント。最後は上田のリターンが外れ11-6で水谷が勝利を収め、昨年の覇者・木下が開幕戦を勝利で飾った。

 水谷は試合後のヒーローインタビューで「本当に胃が痛くて、長く卓球をやっているがビクトリーマッチは常にものすごく緊張する。ビクトリーマッチで勝ったときにしか味わえないこの開放感は最高。今シーズンは新しい選手も加入した。去年からの選手とともに2連覇を達成できるように頑張りたい」などとファンに挨拶。会見では「シングルで2勝できてうれしい。吉村戦は自分の得意なフォアハンドがうまく決まって想像以上に簡単に勝つことができた。ビクトリーマッチでは緊張したが、その中で自分らしいプレーができた。最近ずっと上田には勝っていたので、自信があった。序盤で彼の手が震えているのが見えたので自分より彼の方が緊張しているんだなと思った」などと試合を振り返った。

 また今季の木下について「昨シーズンはダブルスがあまり成績が良くなかった。丹羽が入ったことで木下はダブルスも強くなったので隙がなくなったと思う」などと話した。

 木下の邱監督は「勝ったが試合はあまりいいとは言えない。今日はとても暑くて湿度も高かった。開幕戦ということもあって緊張もしていた。選手もヨーロッパで試合があって戻ってきたのが最近。そういうことでもコンディションが整わなかった。2つ負けて、そのあとビクトリーマッチも4-6からの試合で勝ったというのも運があったのかと思う」などと勝利を収めながらも慎重な物言い。

 この日はいまいち動きが悪かった張本については「張本はまだ若いということもあって焦っているところもあったかもしれない。すぐ良くなるのは間違いない。バックハンドそのものは問題ではなく、サーブをした時のバックハンドのさばきに問題があった」などと話した。

 岡山の白神監督は「日本人選手だけでよく戦ってくれた。特に森園選手は張本選手に一度も勝ったことがなかったので。オーダー的には町選手が侯選手に勝ってくれるかと思っていたが、逆に森薗選手が勝ってくれたので、すごいいい試合ができた。ダブルスもこのまま調子が上がってくるのではないか。(ビクトリーマッチは)水谷が出てくると思った。吉村はチャンスがないような負け方だった。ここは1ゲーム勝負だったので上田に任せた。上田が負けたら仕方ないなというところはある。納得の敗戦。手応えはかなりあった。日本人だけでリベッツのチーム力を発揮できた。これにリン ユンジュが加わればもう一つ勝てる可能性も出てくる。木下を倒す可能性も出てくる」などと語った。

 30日にはT.T彩たまvs琉球アスティーダの一戦がアリーナ立川立飛で開催。大阪の大阪府立体育会館では女子の開幕戦「日本生命レッドエルフvs木下アビエル神奈川」が行われる。
第3マッチを勝った木下の侯英超(撮影・蔦野裕)
「木下マイスター東京vs岡山リベッツ」(8月29日、東京・アリーナ立川立飛)
〇木下マイスター東京(3-2)岡山リベッツ●
◆第1マッチ
●丹羽孝希、張本智和(1-2=11-15、9-11、7-11)上田 仁、森薗政崇〇
◆第2マッチ
〇水谷 隼(3-0=11-3、11-6、11-8)吉村和弘●
◆第3マッチ
〇侯 英超(3-1=6-11、11-8、11-7)町 飛鳥●
◆第4マッチ
●張本智和(2-3=9-11、11-7、8-11、11-4、9-11)森薗政崇○
◆ビクトリーマッチ
〇水谷 隼(1-0=11-6)上田 仁●
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