【インタビュー】高杉真宙 映画『見えない目撃者』で吉岡里帆の“相棒”を好演!
撮影・辰根東醐
“つい見てしまう”女性のこんな行動
本当に大切なことは、目には見えないこともある。ちなみに、高杉がふと“見て”しまう、女性の行動やしぐさは?
「“いただきます”と“ごちそうさま”を言えるか、かな。一人でいても言えている人って、いいですよね。僕も親からそう言われて育ってきたので、できるように気をつけています。そういう心掛けは、見た目などとは違って気をつけられること。そういうことが自然にできる人は素敵だなと思います」
物語では15年前の事件が鍵を握る。高杉自身、過去の出来事が今に影響していることは?
「マンガ好きだったこと、かな。両親がマンガ好きで、自然と自分も読むようになりました。少年漫画から少女漫画までオールジャンル読みます。いまではお仕事としてマンガのコラムを書かせていただけるようになったので、マンガ好きで良かったなと(笑)」
普通の高校生・春馬が、勇気を持って事件に立ち向かっていく姿は印象的。高杉自身が最近、勇気をもって克服したこと?
「苦手なしそと春菊を克服しようとしているところです(笑)。食べ物に好き嫌いはないのですが、その2つだけは小さいころからダメで。しそはザラザラした食感、春菊は香りが苦手ですね。家でもお鍋やすき焼きに必ず入っていて、家族の中で苦手なのは僕だけなので、いつもよけて食べていました。最近、生でなければいけるかも、と思い始めまして。食べられるようになりたいです」
最後に、映画を見る人にメッセージを。
「『見えない目撃者』はアトラクションに乗っているような、ドキドキハラハラが味わえる映画らしい映画。なかなかここまで攻めている日本のスリラー映画はそうそうないと思うので、ぜひ映画館に来てほしいです。あと、春馬を演じた僕としては10代の方にも見てほしいなと思います。人への興味というか、春馬に対して共感する部分もあるのかと思います。2人がどうやって犯人に立ち向かっていくのかを、楽しみにしてほしいです」
現代社会を取り巻く、無気力・無関心。そんな環境が生み出した猟奇殺人には、私たちの生活に通じる生々しさもある。「春馬は現代社会を映す存在」と語った高杉。惨劇のなかで、微かに見える希望の光が、まさに春馬が抱いた勇気や他者への優しさだった。スクリーンできらりと光る、静かな熱演に目が離せない。(取材・文 丸山裕理)