【FRONT LINE in アメリカ】これからのインフルエンサープロモーション”Experience&LifeStyle”

 世界中どこでもファッション&ビューティにみんなが夢中。今はインスタで地球の裏側のトレンドだって、1タップでチェックできるけど、やっぱり現地で自分の肌で感じるものこそが本物の最先端、トレンド!【FRONT LINE】は、モデル、DJ、コラムニストとしても活躍する、一木美里が現地に飛び、最前線をリポート。世界からファッション&ビューティのリアルなトレンドを発信します。

 今回はアメリカはニューヨーク! ファッション業界の業界誌「WWD」が初めて開催したインフルエンサーサミットの様子をお届けします。ブランド、インフルエンサーの登壇もある中、今後のインフルエンサービジネスについてのセッションです。
WWDファイナンシャルエディターのキャサリンさん
 世界最王手とも言われるライブ・エンタテインメント及びEコマース企業「LIVENATION」のアマンダさんに、モデルのようなルックスの素敵な『WWD』ファイナンシャルエディターのキャサリンさんがインタビューするセッションです。

 話題は今後のリアルイベントとインフルエンサー、プロモーションの共存について。フェスファッションも着目される今、音楽イベントとのコラボ、プロモーションブース、リアルなプロモーションについてのお話しでした。貴重なエクスペリエンス(経験)の記憶の中で、体験と商品をリンクさせる。フェスもライブストリーミングで世界中に同時配信される時代になるなかでの、新しい取り組みに向けたセッションでした。



ーーフェスでのプロモーションの発展についてお聞かせください。
グリッターメイク、フラワークラウンなど、フェスファッション発のトレンドが生まれました。固定概念は取り払って、ヘアケア、例えばパンテーンであるとか、スキンケアのブース、キャンペーントラックを入れたりします。そこで、参加した仲間たちと一緒に同じフェイスマスクをしたりできるとか、リフレッシュできるブースを作るべきだと考えています。イベントにあわせて、新しいブランドやプロダクトをローンチするのも良いと思います。

ーーよりハイブランドを着ていくのに適しているブランドはありますか?
 5月に開催されている、BOTTLEROCK(ボトルロック)だと思います。

ーーブランドとインフルエンサーをどのように結びつけて起用していますか?
まずブランドが決まります。その後、イベントと目的に合わせてカスタムしながらインフルエンサーを起用しています。分析ツールを使って、このブランドについて投稿しているユーザーのパターンも分析しています。

ーーーブランドとのビジネスはどのように決まるのですか?
ブランド側から依頼が来ることもあれば、こちらから合うなと思うブランドに対してプロモートすることもあります。

登壇者
Amanda Fregaさん LIVENATION FANLIGHTSヴァイスプレジデント
Kathryn Hopkinsさん WWDファイナンシャルエディター


Instagram 社の3名によるセッションでは、今後のインフルエンサーマーケティングに関するお話が。

この日に例に出されたインフルエンサーの方も、フォロワー数が膨大というより、ライフスタイルとストーリーが確立された印象の方であったりと、セレブリティとファッション/ビューティインフルエンサーのグラデーション的な違いを示されているように感じました。


ーー今後の展開で重要なことは?
VMDやメルマガの役割をインフルエンサーが行うようになったのは画期的ですよね。起用の際には「フォロワー数よりエンゲージメントが重要」です。フォロワーが増えるほどにエンゲージメントを増やすのは難しいけれど、(エンゲージメントは)2〜3%でもいいし、4〜6%ならさらにいいです! 消費者に近いインフルエンサーが、(ブランドとの)橋渡し役となってお客さんともコミュニケーションをとることができるから、従来の形からステップアップして新しいプラットフォームで新しいチャレンジに拡大して行くべきです。

※エンゲージメントは簡単に言うと反応のこと

ーーインフルエンサーによるPRは本当に効果があるのか?
やはり全部がPR投稿やプロモーションコードと一緒の投稿だと嘘くさいです。ライフスタイルが見えてこそ、価値がある。本物のフォロワーがいて、ライフスタイルの見えるインフルエンサーを起用することが大切です。

ーーー投資額もフォロワー数に合わせ大きくなるのが負担です。
インフルエンサーに投資する資金のないところはまずコンバージョンです。Eコマースの結果が上がってから、インフルエンサーPRにかければ良いと思います。商品のギフティングでできることがあるならそこから始めても良いと思います。

ーーフォロワーを自然に増やすには?
コンスタントに、伝えたいことを、ある程度内容と統一させてUPすること。ドンっと増えたり減ったりはあるでしょうけど、伝えたいことをUPすることです。今やインスタはサーチエンジンです。検索ツールとしても利用されているので、ハッシュタグを活用することですね。コメント欄でコミュニケーションをとることも重要です。

ーーテキストの編集を行うと、いいねが減る(表示が減る)のは都市伝説?
そうですね(笑)。意図的に隠しているような投稿もないですよ。平均200〜500のブランドアカウントをフォローしているケースが多いと言われているので、見ている側としてもフィードもどんどん進むでしょうし全てをチェックするのは難しいでしょうね。

ーーーIGTVの美容プロモーションにはどんな効果がありますか?
2分くらいのチュートリアルであれば、投稿よりも深い情報も配信することができますよね。毎週水曜日に配信するとか配信日を固定するとか、4分割してパート1、2、3、4と順に公開するなどしても閲覧が増えると思います。ファッションだと、ムービーはそこまでなかったけど、『WWD』のファッションショーのLIVE配信とか、ブランド側も自信を持ってありのまま届けられるものはいいですよね。

ーー今後どんなインスタ機能を増やしていきますか?
やはりムービーですね。人々の生活、情報発信も変化しています。インスタとしてはブランドとの関係も大切にしていて、機能に関してもブランドの意見を聞いています。ショッピング機能もそこから生まれました。より気軽に買い物できるようになりました。今はインフルエンサーを通してブランドを知ることが増えました。インスタグラム側もみなさんがどう利用しているかチェックしています。音楽再生機能(日本ではまだ使えません)もかなり使われているし、新しい機能をリリースすることにワクワクしています。

ーーー投稿するにあたって大切なことは?
みんなが言っているほど、9枚での統一感、9枚で見せること、同じフィルター、とか、、それはそこまで見られていないと思います。1枚ずつの投稿で何をシェアするか、何を発信するか、が大切です。9枚のバランスが悪い、という理由で仕事をオファーしないという人はいないですよね。

登壇者
インスタグラム社
Besidone Amoruwaさん  ビューティ ライフスタイルマネージャー
Emilie Wife さん ファッション マネージャー
Kristie Dashさん  ビューティ&ライフスタイル マネージャー



今回のサミット全体のお話を通して感じたのは、特性はあるものの、日本と状況は似ているということ。ブランドはよく分析、人選をすること、インフルエンサーはライフスタイルやテーマに基づいた発信、コミュニケーションをコンスタントにすること、でした。

そして、エクスペリエンス(体験)やライフスタイルなどからきちんと理由づけたストーリーのあるプロモーションが大切だということ。日本にはまだ導入されていない音楽の機能は、諸外国ではすでにインスタ機能のなかでも存在感がある模様です。

アメリカならではのフェスの規模感には憧れを感じます!またフェスなどもレポートしてみたいなと思います!