ハリウッドと遜色なし!傑作サスペンス「見えない目撃者」はここが凄い!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 僕が旗揚げした劇団「令和反戦楽団」の旗揚げ公演がいよいよ来週に迫り、稽古場も佳境に入っております。

 上演する『スタン・反戦』は今、僕が「好きなことをやっていい」と言われたらこうなる、といった感じの作品です。

 演劇というジャンルの定義の幅が狭い方には受け入れがたいものになっているかもしれません。「何か新しいものをやっているみたいだから見てみるか」くらいのつもりで楽しんでいただければと思います。

 今回は鑑賞記です。引き続き、お悩みも募集中ですのでよろしくお願いします。
黒田勇樹
 吉岡里帆さん主演、視力を失った元女性警官が誘拐事件の目撃者となり、そのことから大きな事件へ巻き込まれて行くという本格サスペンス映画「見えない目撃者」を観てきました。

 まず、ひとつ未見の方に大きなネタバレをしてしまいますが…安心して下さい! 本当に見えてません! 日本のサスペンスって見えてないと思ってたら見えてたとか、車いすだと思ってたら歩けたとか、多すぎません!?

 現実でも聞こえてないと思ってたら、聞こえてた音楽家とかいるし!

 2時間ドラマみたいな「家で何かしながら観る」コンテンツなら、このくらいわかりやすいトリックの方がいいんですけどね。他にも邦画のサスペンスってついついコマーシャル的に奇をてらいすぎたり、タレントさんに寄りすぎて無駄なシーンが増えたりしがち。でもせっかくお金払って観てるシリアスな映画でこれらをやられると興ざめしてしまうことが多いです。

 むしろ、今作はオープニングでしっかりと、主人公の失明の瞬間が描かれるのですが、このシーンがまた素晴らしい。失明していく瞬間を観客がまるで一緒に体験しているような感覚に誘います。「見えなくなる視界」を表現する演出と、それを効果的に見せる為の無駄が無い脚本、そしてなにより、見えているところから見えなくなるまでの表情というか視線、瞳孔まで!? 変化させてみせる吉岡里帆さんの演技の素晴らしいこと!

 あれはどうやってるんでしょう…目の演技って普段オートで動かしてる部分だから本当に難しいんですが、病気や障害となると更に日常ではアンコントローラブルなところを動かさなきゃいけないハズなのに、あの説得力。

 とにかくこのオープニングの説得力で、安心してというのもおかしいですが、違和感なく主人公の「見えない世界」へ。

「観客しか知らない秘密を作る」という脚本のテクニックがあるんですが、もはや今観ている映像の全てが「見えない主人公」の知らない秘密という、最高の舞台設定が完成します。

 その後も「銃が出てきたら、その銃は撃たれなければいけない」という意味の「チェーホフの銃」という脚本の基礎ともいえるテクニック、それを忠実に守っていくような最初から最後までの丁寧な展開。王道なのに飽きさせず観客をハラハラさせ続ける演出。可愛くて上手で観客を寄り添い続けさせる吉岡さんの演技!出しときゃ絶対ハズレのない犬!

 まるで「セブン」や「ボーンコレクター」といった傑作ハリウッドサスペンスを観た時の様な感動を味わえる、脚本、演出、演技が3位1体になり作り上げられた大傑作でした!
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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23

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