【インタビュー】黒田勇樹が「戦争反対」の思いも込めた劇団「令和反戦楽団」旗揚げ
「死ぬまでに向き合えるテーマを考えたら“戦争反対”だった」
劇団の色といったものについては?
「その時に僕が一番やりたいことをやる。お仕事として他の作品の作・演出をしている時はきちんとお客さんが入るもの、できるかぎり大勢の方に分かってもらえるもの、という意識をしてしまうので、今回はそれを取っ払って好きなことを好きなようにやっていこうと思っています」
旗揚げ作の『スタン・反戦』は今やりたいこと、今やりたい系統の作品?
「ものすごいピュアな作品になっています。今までは何か加工して皆さんのお手元に届けていたんですけど、牧場に来てもらうような気持ちで、黒田牧場のビニールハウスにある果物を摘みに来る感じで来ていただければ」
どのような作品? ジャンル的には?
「一応、コメディーだと思ってきていただければ。でもアクションもありますし、ひょっとしたら感動する人もいるかもしれないし、怒って帰る人もいるかもしれない。僕もあまり見たことがないお芝居になると思う。まあ、不条理コメディーというところでしょうか。あと和太鼓奏者の方と友達になったので、今回初めて生楽器を使います。あの劇場で太鼓って怒られるかと思ったんだけど大丈夫でした」
それが今一番やりたいことだった?
「世の中ってそうじゃないですか。世の中って喜劇だし、不条理だし。僕はお芝居の台本を書く時に、必ず今、自分が一番悩んでいたり気にしていることだったり、一番熱いテーマを書くようにしているんです。“生きているって何だろう?”と思えば、この前は自殺についての話を書いた。“青春って何だろう?”とか“愛って何だろう?”とかその時に思っていることの“こうなんじゃないのかな”と思うことを記録に残しておきたいと思っているんです。手塚治虫の本に書いてあったんですが、“その時に自分が思っていることを書かないとブレてしまう。どんなコミカルなものでもそれは入れておけ”と。僕自身、いっぱい作品を作っていくうちに、そういうこともなくなってきていることに気づいていて、最後に死ぬまでに向き合えるテーマってなんだろうって考えたら“戦争反対”だったので劇団名に“反戦”と入れました。それができたら僕はやめるかもしれない、できなきゃ永遠に続けなきゃなって。それというのは戦争を止められたら、ということですね」