マネの名画になりきって…上野で美術家・森村泰昌のワークショップ開催
今回の舞台装置には30年前に実現できなかった構想が盛り込まれている(撮影:山本倫子)
今回のワークショップでの発見を、森村は「バーメイドが前のめりになっているのが面白いと思って。一歩踏み出すような、世の中のいろんなことに対して引いていないところに、この女性の意志を感じる」と語る。バーメイドを客席から見て「やる人によっていろいろな人物像になる。少なくともここ(舞台装置)に立ってしまうから、なにか考えなきゃいけないんですよ。僕がやるのと彼女がやるのは違うんだろうな、と思いつつ見てました」と微笑んだ。
さらに、マネの魅力について「この《フォリー=ベルジェールのバー》は鏡というアイテムを使います。鏡は不思議なもので、平面なんだけど奥行きがあって立体的。マネの絵も同じで、平面であることと立体であることが行き交うような感じがあって、これは僕の解釈ですけど虚像が現実の世界で、バーメイドを鏡の世界というふうに捉えることもできる。マネは本来は後ろ向きで見えていない女性を、どんな表情をしているのか、なにを思っているのか表して、虚実逆転させているのかな」と明かした。
マネの《フォリー=ベルジェールのバー》をはじめ、ルノワールやドガ、ゴーガンなど、実業家サミュエル・コートールドが収集したコレクションから印象派・ポスト印象派の作品を紹介する「コートールド美術館展 魅惑の印象派」は、東京・上野の東京都美術館で12月15日まで。
さらに、マネの魅力について「この《フォリー=ベルジェールのバー》は鏡というアイテムを使います。鏡は不思議なもので、平面なんだけど奥行きがあって立体的。マネの絵も同じで、平面であることと立体であることが行き交うような感じがあって、これは僕の解釈ですけど虚像が現実の世界で、バーメイドを鏡の世界というふうに捉えることもできる。マネは本来は後ろ向きで見えていない女性を、どんな表情をしているのか、なにを思っているのか表して、虚実逆転させているのかな」と明かした。
マネの《フォリー=ベルジェールのバー》をはじめ、ルノワールやドガ、ゴーガンなど、実業家サミュエル・コートールドが収集したコレクションから印象派・ポスト印象派の作品を紹介する「コートールド美術館展 魅惑の印象派」は、東京・上野の東京都美術館で12月15日まで。
森村泰昌プロフィール
1951年大阪市生まれ、同市在住。京都市立芸術大学大学院専攻科修了。1985年、ゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真を制作。以降、美術史上の名画や往年の映画女優、20世紀の偉人などに扮した写真や映像作品を手がけ続けている。1989年、ヴェネツィア・ビエンナーレの企画展に出品するなど国内外で展覧会を開催するほか、2014年には横浜トリエンナーレのアーティスティック・ディレクターも務めた。昨年11月には、大阪に個人美術館「モリムラ@ミュージアム」(https://www.morimura-at-museum.org/)がオープンした。
1951年大阪市生まれ、同市在住。京都市立芸術大学大学院専攻科修了。1985年、ゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真を制作。以降、美術史上の名画や往年の映画女優、20世紀の偉人などに扮した写真や映像作品を手がけ続けている。1989年、ヴェネツィア・ビエンナーレの企画展に出品するなど国内外で展覧会を開催するほか、2014年には横浜トリエンナーレのアーティスティック・ディレクターも務めた。昨年11月には、大阪に個人美術館「モリムラ@ミュージアム」(https://www.morimura-at-museum.org/)がオープンした。