災害で命を落とさないために。東京・狛江市にFMラジオ局“コマラジ”誕生

開局式にロックバンドAURA(オーラ)のベーシスト・ぷりんすマーブルの衣装で登場した松崎社長(右)
トラブルで開局予定が遅れるというピンチも!
 一見、順調に開局までこぎつけたようだが、ここに来るまでにはさまざまな困難やピンチに何度も見舞われたという。

「3年前に実行委員会を作ってからは、毎月会議を積み重ね、電波調査の事前調査にかかるお金を出し合ったり、何度もシミュレーターを回して膨大な量のデータを作ったり。それを総務省にあげるのですが、申請書が100ページ以上になる事も。ものすごい数のデータや図面で書類の厚さが数センチとかになりましたから。そして、2018年12月にようやく総務省の方から『ほぼほぼ開局できるでしょう』という話があり、今年の1月に実行員会のメンバーで総務省に行きました。そこでは、技術的な事に加え、メンバー構成や行政が賛同しているかなど、いろいろな確認をされました。その結果、5月30日に法人化、7月31日にようやく総務省から予備免許を交付していただきました。あとは、例えば、狛江市役所の隣の防災センターの屋上にアンテナをつけさせていただいたのですが、屋上へのビス留めが雨漏れの原因になるとの指摘があり、急きょ仕様変更が出ちゃったんです。それに伴って必要になった鉄骨と留め具がオーダーをかけても全然入ってこなくて…。ちょうど鉄骨不足がニュースにもなっていた時期で、結局予定より1カ月以上遅れてしまい、最終的に開局予定がずれてしまったという事もありました。しかし、そういうやり取りをする上で、すごく助かったのは、取締役の峯水さんが、電波関係のスペシャリストだった事。まだ30代ですが、電気通信大学の先生をしていらして、技術的なシミュレーションなど、全部お任せをしました。実際、電波関係の技術的な事がうまくいかず、なかなか申請の許可が下りないというケースも結構あるんですが、おかげさまでそういう点では、すごく助かりました。また、狛江に25年お住まいでラジオ制作42年の吉田さんをはじめ、たくさんのプロの方々にもサポート頂いており、人脈にも恵まれましたし、そこからさらにご紹介いただいてサポートをして下さる方が現れるなど、なんとか開局にこぎつけたという感じです」