新時代に求められる概念。分断をまたぐ「ピースコミュニケーション」を広めよう



「国と国とのコミュニケーションも約束を守るといったことが大事」と中山議員が話すと国連日本代表部の星野氏は「まさに国連は、各国が政治を通じた利害調整を平和的に解決する場。違いをなくすのは難しい。違って当たり前なのでそれをどういう方法で解決に持っていくかが外交だ」と語った。

 やがて話題は、現代社会の重要なキーワードである“多様性”の話に。堀は「多様性の大切さが広まり、人々は違いがあることを知ることができた。しかし知ったがために関わるのをやめよう、とか排除しようといった動きも生まれた。今、多様性のジレンマが広まっているのでは」と問いかけた。ÜSAが「子供たちとダンスをしながら、いろんな違いを認めながら、でもどこか同じところもあるよね、と考えると、世界は1つの大きなファミリーに見えてくる」と話すと、中山議員も「正義は1つではないと認識することが大事。また役人にも多いが、個ではすばらしい人が組織人になったとたん組織防衛に走る。個が認められない社会環境も問題なのでは」と語った。星野氏が「多様性には忍耐が必要。国連でも、国を背負って外交をするので譲れない部分はある。しかし短期的視点だけではなく長期的視点も持てば、選択肢は広がってくるはず」と語ると、堀は「多様性には忍耐が必要、という星野さんの話は、単にがまんをするということではなく、長期的な視点に立ってゴールを共有するというコミュニケーションが大事ということですね」とうなずいていた。

 一木氏は「皆さんがそれぞれ行う活動が“ピースコミュニケーション”のもと1つのベクトルに向かったら大きな力になりそうですね」と期待を寄せ、2020年9月開催予定のNY国連総会に向けてのプロジェクトの提案を宣言した。
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