今年一番○○だった本でオールスターが激突!?

「一番笑った本」に『読む薬』(アチーブメント出版)を挙げる榎村真由さん(写真左)と今後も『聖なるズー』(集英社)の考察を続けたいと語る亀山綾乃さん
 後半戦は、自身もビブリオバトルを主催するという榎村真由さんの「今年一番笑った本」、五十嵐良雄著『読む薬』(アチーブメント出版)。いつも発表しそびれてしまう一冊で、各国の読書療法を紹介しているのだが、著者の読書愛があふれていてつい笑ってしまうのだとか。

「今年一番意表を突かれた本」として石井公二著『片手袋研究入門』(実業之日本社)を紹介したのは長岡雷太さん。道端に落ちている手袋の研究本でそのまま放っておかれる「放置型」に深海に落ちている手袋があることや、拾った人が目立つ場所に置く「介入型」などが実用的に分類されていると解説。ディスカッションでは「私は片手袋をよく製造する側ですが役に立ちますか?」など、突っ込んだ質問も。

 最後は亀山綾乃さんの「今年一番出版を待ち望んだ本」、濱野ちひろ著『聖なるズー』(集英社)。動物性愛者の人々と寝食を共にして取材したノンフィクションで、『遠野物語』を受容する日本人の性愛観の考察を続けたいといって発表を終えた。

 最終投票を行った結果、チャンプ本は『片手袋研究入門』に決定! 受賞の感想を「年忘れで気合の入った本の中で選ばれてうれしい」と長岡さん。今回は小説が一冊もなかったことが意外だといい、発表のコツを「人にすすめたくなる本を選んでいます。私は原稿を準備して、事前に2〜3回くらい5分間で伝える練習をしました」と笑顔で明かす。

 知らなかったけれど面白い本を知る機会にもなるビブリオバトル、終了後も紹介された本を買い求める人や参加者と本について語り合う人でにぎわった。
最後まで発表を聞いて「どの本が一番読みたくなったか」を挙手で投票する。チャンプ本が決まる緊張の瞬間だ
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