子宮頸がん一歩手前だった私が彼氏と一緒に「HPVワクチン」を接種するまで

 どういうわけか、定期検診を受けている病院ではHPVワクチンのことは一度も聞かれなかった。しかし、ワクチンを接種すれば、子宮頸がんの原因になる細胞は高確率で予防することができる。

 これを聞いてすぐに都内でHPVワクチンの接種が可能な病院を調べて、ワクチンを打った。HPVワクチンは合計3回の接種を6カ月に渡って行う。。成人女性は公的補助の対象にならないので自費での接種になるが、全体で5〜6万円ほどで行うことができる。安いとは言えないが、頸がんの再発を恐れて入りかけた女性病の医療保険の金額に比べれば安いものだ。

 こうして私は3回に渡るHPVワクチンの接種を行った。筋肉注射だと聞いて痛みが怖かったが、なんなら普通の注射より痛くないくらいだった。

 HPVワクチンを接種したことを河野院長に報告すると、先生からはこんな風にお返事が来た。

「大事を取るなら、彼氏にも一緒にHPVワクチンを接種してもらうといいよ。HPVはヒトの皮膚に感染するウイルスで、男性でも癌や尖圭コンジローマの原因になったりする。HPVワクチンを接種することで、女性と同様にそれらのリスクを下げることができると言われているんだ」

 それを聞いて、すぐに同棲中の彼氏にもこの話をした。

「頸がんは若い女性によくかかってしまう病気で、これにかかることで最悪は子宮を全摘出することもあるの。私はすでにワクチンを打ったんだけど、あなたにもHPVワクチンを接種してもらって、私は再発をできるだけ防ぎたい」

 頸がんにかかったことがあるということを彼氏に告げるのは勇気が必要だったが、彼氏は快く「5万で君の安心が買えるなら安いもんだ」といってHPVワクチンを接種してくれた。こうして私は、彼氏とHPVワクチンの接種をして、子宮頸がんの再発防止に全力を尽くすことができた。

自分がHPVワクチンを接種しているか知っていますか



 あなたは、自分がHPVワクチンを受けたことがあるか知っているだろうか。女性の方はまず、自分が子供の頃に受けたことがあるのか、両親などに確認してみてほしい。


(取材と文・ミクニシオリ)



【性感染症内科医・河野太郎院長】
夜間休日専門の性感染症内科・東京プレイヤーズクリニック院長。院内処方にてED薬やアフターピルの処方なども行っている。https://twitter.com/drtaro_k

□東京プレイヤーズクリニック:https://www.tokyo-players.com
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