【インタビュー】高杉真宙×岸井ゆきの 映画『前田建設ファンタジー営業部』で“無茶ぶり”ミッションに挑戦
チームの一体感は無茶ぶりが生んだ?
最初は“無意味な”ミッションに戸惑いながら、いつしか一体となって本気で挑む広報室の面々。その一体感は、どの業界で働く人も共感必至。
岸井「現場中にみんなで一緒に本読みをしていたんです。舞台の稽古場などだと、誰かがセリフを練習していると、それに誰かが返して、つながってという感じになることがわりとあるんですけど、ドラマや映画では、あまりああいうことはないから楽しかったし、すごく助かりました」
高杉「撮影に入る前に毎回、その日に撮るシーンの本読みをしましたね」
岸井「5人のシーンって微妙に難しいんですよね(笑)。2人だと、次のセリフは確実に自分だから、セリフが多くてもまだいけるんですけど、5人だとそうはいかない。しかも空気やスピードも大事な中で自分の番を逃してしまうと、けっこうダメージが大きいので(笑)、小木さん発信で、みんなで毎日やっていました」
高杉「小木さんはいつも先にマネジャーさんと練習していて、そこに僕らが入って本読みを始めると“全然、さっきと違うじゃねーか!”って笑いながらマネジャーさんに言っているのがおかしくて(笑)。確かに毎日みんなで本読みできたのは、ありがたかったです。ファンタジー営業部の空気感みたいなものも、あれで生まれた気がします」
岸井「でもただ楽しくやっていただけで、“5人の話だから5人のチーム感を作ろう!”みたいなことは誰も考えてなかったと思います(笑)」
高杉「絶対、考えてない(笑)」
岸井「無茶ぶりも多かったし」
高杉「多かった。アドリブで、返しづらいところで笑わせてきたり(笑)」
岸井「皆さん“足す”のが上手い方ばかりでした。ドイくんは素で笑っているときもあるし、私も掘削オタクのヤマダさん(演・町田啓太)から電話を受けているシーンで小木さんたちのアドリブに返そうと、何だかよく分からないことを言っているし…」
高杉「確かにあのとき、岸井さんが何か不思議なことになっているなと思っていました(笑)。でも上手く返しているなと」
岸井「台本には無いことを、みんながずーっとアレコレ言っていて、でも無視するわけにもいかず…」
高杉「実はあれ、英監督から、4人で盛り上がっていろいろ言っていてくれと言われていたので僕らみんなアドリブで頑張ってたんです。それに返す岸井さんのほうが大変だったと思いますけど(笑)」
岸井「まあ…その…台本にとらわれないものづくりとでも言いますか…(笑)、そういうお芝居を大事にしていました」
2人の共演は『モンテ・クリスト伯』以来。
岸井「以前は作品の内容的にも、セリフの掛け合いというより一つひとつを飲み込んでいくという感じだったので、今回、真宙くんとポンポンと会話ができることがすごく新鮮でした。ドイが“エモトさん、寝てたでしょ”ってつっこむシーンとか、私たち、こんなコミカルなやり取りができるんだ!って(笑)。空想の世界に、一緒に夢を持って取り組めて楽しかったです」
高杉「同僚として同じ会社にいるという設定が新鮮で、うれしかったですよね」
岸井「今回、ケラケラ笑う真宙くんとか、イジられて困っている真宙くんとか、小木さんと上地さんの会話を横で聞きながら1人笑っている真宙くんを見ることができたのはよかったです(笑)」
高杉「僕も岸井さんが、こんなにお話ししやすい方だとは思っていなくて。明るくてお茶目な部分もあって、5人で話をしているときも岸井さんがいらっしゃるおかげで現場がすごく明るくなりました」