バカリズム×夏帆×佐藤玲 架空OLたちのあの「日常」をそのままスクリーンで! 映画『架空OL日記』

佐藤玲
 夏帆と佐藤は「私」をどんな姿のOLとしてイメージしている?

バカリズム「僕のビジュアルを頭の中でどう処理しているか、ですね。この存在を(笑)」

夏帆「脳内変換するとか、そういうことじゃなく普通に“同期”なんです。こちらが受け取り方を変えるとかではなく、もうそのままの姿で、仲の良い同期だと思えるんです。カメラが回っていないときもこの5人でずっと一緒にいるんですけど、そのときの空気感が役そのままなんです。何と言ったらいいのか…考えてみればすごく不思議なんですけど」

バカリズム「うまく説明できないのは、おそらくこんな作品は映画でもドラマでも前例がないからでしょうね。僕もある程度は予想していたけど、ここまでなじむとは思っていなかった。相手側の夏帆さんや佐藤さんたちは、僕自身が感じている感覚とは、また違うとは思うけれど」

夏帆「このメンバーとバカリズムさんだから、これが当たり前であるという状況が成立しているんじゃないかなと思います」

佐藤「逆に、バカリズムさんとして周り4人女子の中に自分がいることの違和感は、感じてらっしゃったりするんですか?」

バカリズム「僕のほうもないですね。実はもともと、脚本の段階で極力、性差による違いが明確に出やすい部分は避けていて、自分でもそれはうまく書けたんじゃないかなと思います。途中からはもう無意識で、そういうシーンや状況を避けて書いていました。意外と、すごく繊細なものではあるんです(笑)。ブログから本になるときとか、新たな方に関わっていただくタイミングでいろいろ提案していただいたんですが、どれも“違った”んですよ。だから結局、自分でやろう、となって。けっこうギリギリの、絶妙なバランスで成り立っているんです、この作品(笑)」

 そして本作のリアルさの裏にも、こんな緻密な計算が。

バカリズム「普段、何気なくやっている行為、例えば僕は普段からよくペットボトルの上にあごを乗せたりするんですが、通常の作品だと、そういった、とくに理由がない行為は排除されることが多い。でも日常では理由なくやっている行為はありますよね。それをあえて入れることで“作品”ぽさをなくす、というか日常のリアリティーを出すようにしていました。完全な狙い、テクニックです(笑)」