AIと人間が融合した「TEZUKA2020」新作漫画『ぱいどん』お披露目。まさかの連載も視野に
扉絵を挟んで手塚眞氏(左)と栗原聡教授(©「TEZUKA2020」プロジェクト)
“よみがえる”という言葉はそう簡単には使ってはいけない
この件については栗原教授も「このプロジェクトが立ち上がった当時は“AI手塚治虫で新作を作る”という言い方をしているところもあったが、それは違う。基本的に“よみがえる”という言葉はそう簡単には使ってはいけない。実際には存在しないわけですから。僕らができることは亡くなった方が残した遺産、今回であればデータからいかに亡くなった方の遺伝子やマインドを取り出して、それを今の僕たちが何かしらの形にするということ。それしかできようがない。今回も新作と呼んでしまっているが、正しくは手塚治虫のマインドを技術を使って取り出し、それを使って僕らが、限りなく手塚治虫だったら書いたであろうものを作ったというのが本来は正しいとらえ方。そこについては僕らはチームとしての共通意識を持って進めた。だから軽々しく“手塚治虫の新作”とは言わないで進めた」などと説明した。そして「NHKの件も、担当の方と話をすると、彼も真剣に取り組んでいて、安易に“よみがえる”とは実は考えていない。僕らと全く同じマインドだった。でも作ったものはそれ自身が世に独り歩きしていく。そういった時にいろいろな誤解をされてしまうのは致し方ないところはあります。人工知能という言葉がだいぶ抽象的な言葉で誤解を呼びやすい。誤解もされるだろうが、真摯に説明するしかない。ただ最終的にはできたコンテンツが、面白いと思われるかどうかに尽きると思う」などと続けた。