糖質対策の新常識!「糖質制限」から「おいしい糖質対策」へ
メタボが気になる人の間で長らくブームでさまざまなやり方がメディアで紹介されている「糖質制限」。ところが、健康になるはずの「糖質制限」が、やり方次第によっては不健康になるリスクが潜んでいることも。では、適切な糖質対策とはどのようにすればよいのでしょうか。
管理栄養士で、糖質対策に関する書籍の監修も行う篠原恵里佳さんは過剰な糖質制限によるリスクをこう語ります。
「人間の活動や生命の維持には、エネルギーが必要です。糖質を抜くとそれらのエネルギーが不足してしまいます。また、糖質が不足すると、本来は体を作ったり、体の機能を調整する物質を作ったりする機能を持つたんぱく質がエネルギーになります。その結果、たんぱく質が不足して貧血や筋肉量の低下、肌荒れ、太りやすくなったり風邪や感染症にかかりやすくなるなどのリスクがあるんです」
そこで篠原さんが提案するのは「糖質をとらない=制限する」のではなく、「おいしい糖質対策」として“あるもの”をプラスすること。
「何と一緒に食べればいいのかというと『食物繊維』と『たんぱく質』です。まず、“食物繊維5分前ルール”といって、食物繊維を糖質と一緒にとると、胃から腸への糖質の流れがゆっくりになり、腸からの糖の吸収、そして血糖値の上昇もゆるやかになります。ただし、食物繊維の効果が現れるには、摂取してから5分以上かかるので、食事の5分前に食物繊維をとることが理想的。忙しい時はコンビニなどで販売されている食物繊維入りのお茶を飲むと、食べ物に比べてすぐに胃腸の中に吸収されるのでおすすめです。
もう一つは“たんぱく質ファースト”、つまりたんぱく質を第一に考えること。たんぱく質をとるとエネルギーのバランスが整い、たんぱく質が多い食品(肉・魚・卵・大豆製品・乳製品)にはビタミンやミネラルも含まれるので、糖質の燃焼につながります。代謝に必要な酵素もたんぱく質が作っているんです」
管理栄養士の篠原恵里佳さん