ノムさん死す。長嶋氏「また大切な野球人を失ってしまった」

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昭和52年、南海での選手兼任監督時代の野村さん(写真:岡沢克郎/アフロ)
 野球評論家の野村克也さんが2月11日午前3時半、虚血性心不全のため死去した。84歳だった。野村さんは京都・峰山高から昭和29年にテスト生として南海に入団。3年目に定位置を獲得し、強打の捕手として活躍、40年に戦後初の三冠王に輝いた。45年から兼任監督を務め48年にリーグ優勝を果たした。監督解任後も「生涯一捕手」を貫きロッテ、西武と渡り歩き55年に45歳で現役引退した。

 通算3017試合出場、2901安打、657本塁打、1988打点。本塁打王9度、打点王7度、最優秀選手賞(MVP)5度獲得。安打、本塁打、打点はいずれも歴代2位の記録。

 引退後は捕手としての鋭い視点と歯に衣着せぬコメントで評論家として活躍。

 平成2年にはヤクルトの監督に就任。万年Bクラスだったヤクルトをデータ重視の「ID野球」で4度のリーグ優勝、3度の日本一に導いた。11年から阪神監督を務めたが3年連続で最下位に終わった。18年からは楽天で4シーズン指揮を執り、最終年の21年には球団創設以来、最高の2位に躍進。クライマックスシリーズ進出を果たした。

 現役時代、そして監督時代にライバルとして戦った巨人の長嶋茂雄終身名誉監督は「一瞬、言葉を失った。また大切な野球人を失ってしまった。しかし、ノムさんが残した偉大な功績と野球への底知れぬ愛は、これからも永遠に生き続けるはずだ」と述べた。王貞治ソフトバンク球団会長は「同じ時代を悪戦苦闘して戦い抜いた戦友が亡くなってしまうのは残念。互いに理解して認め合って、尊敬もしていた。頭脳を使った野球をやったから選手としても監督としても成功した」と称えた。