阿部一二三 vs 丸山城志郎 【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。
撮影/文章:松尾憲二郎 (2019年11月22日柔道 グランドスラム 大阪 男子 66kg級決勝)
阿部の目線を想像するに、組み手に関しての狙いを定めているのだろうか。

世界選手権王者・丸山 城志郎に挑む、この眼光鋭い阿部 一二三を畳のすぐ横から撮影していた。
大勢の観客が固唾を飲んで66kg級の決勝に見入っていた。会場が静まり返るとテレビでは聞こえてこない、畳がこすれる足音やふたりの息遣いがよく分かる。
さらに私はレンズでとらえた表情と相まって、緊張感が一段と高まった。観客とは違う視界になっている。
遠く離れた観客席からの肉眼に対して、至近距離からの望遠レンズ。同じ瞬間であっても視界は人それぞれだ。

2019年の世界選手権では丸山が勝ち、この大阪グランドスラムでは阿部の勝ち。
4月、福岡で予定されている全日本選抜体重別選手権にて東京オリンピックの選考レースが終わる。
新型ウイルスの影響により無観客試合になることが決定した。もし通常の開催だったら観客も疲れるほどの戦いになっていただろう。
結果とともにどんな絵柄の写真、テレビ放送になるかも注目していきたい。

■カメラマンプロフィル
撮影:松尾憲二郎
1985年 東京生まれ
都立工芸高校デザイン科卒業
バックカントリースキーの撮影にあけくれ雪山を登ってきた。
2014年より「アフロスポーツ」に所属。現在は様々なスポーツを撮影している。
日本スポーツプレス協会 (AJPS) 会員
国際スポーツプレス協会 (AIPS) 会員


【取材歴】
2015 冬季ユニバーシアード(スペイン/グラナダ)、EAFF 東アジアカップ(中国/武漢)、柔道・世界選手権
(カザフスタン/アスタナ)
2016 スキー遠征(モンゴル/アルタイ山脈)、リオデジャネイロパラリンピック

2017 冬季ユニバーシアード(カザフスタン/アルマティ)、冬季アジア大会(札幌)、夏季ユニバーシアード
(台湾/台北)、フィギュアGPシリーズ(ロシア/モスクワ)
2018 冬季オリンピック(韓国/平昌)、夏季アジア大会(インドネシア/ジャカルタ)、体操・世界選手権(カター
ル/ドーハ)
2019 陸上・世界選手権(カタール/ドーハ)

【個展】
2011 冷やしボブ(ボブ東京)
2014 YMK_展(EATME GALLERY 南青山)、YMK_展(UP LAND 札幌)
2016 SKIING MONGOLIA(代官山ヒルサイドテラス)、season(NIKON 新宿フォト・プロムナード)

【グループ展】
2018 AJPS報道展 『鼓動』
アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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