【インタビュー】川口春奈「最後まで賢い帰蝶を」大河ドラマ『麒麟がくる』で斎藤道三の娘を好演

 信長は染谷将太が演じている。「信長も信長でキャラが濃くて面白い」と、川口。「子どもらしい天真爛漫な部分があったり、潔く物事を決める瞬間があったり。帰蝶もそうですが、いろんな顔があって新鮮です」。

 帰蝶はそんな信長に次第に心を開いていく。

「入り口では、なんだこの人はってことを思いますが、信長が育ってきた環境や信長とお母さんとの関係を聞いていると切ないものがありますし、帰蝶と通じるものもあるのかなと思います。いつもはヘラヘラケラケラしているけれど、やることは大胆なんですよね。そこにひかれていくのかなと思います」

 妻として迎えられるものの要は人質。その一方で、父のいる美濃との橋渡しでもあって、たくさんのものを背負っている。

「すごく難しい立場だと思うんです。帰蝶には使命があるので、家族でありながらも、(義父の織田)信秀に対しても、自分の父に対しても、いろいろ考え、企みを持ちながら、物事を賢く考えて遂行していく。そこを意識して演じています」

 帰蝶も、信長も、そして光秀も、少年少女の時代を過ぎて、ここからどんどん大人になっていく。それと同時に、戦国の時代の渦のなかに否応がなしに巻き込まれていく。

「少し先の脚本を読んでいるんですけど、そのなかでも衝撃的なことが平然と起こっていて、えーっ!と気持ちがついていかなかったりするんです。そういう激動の時代だからこそ、最後まで賢い帰蝶をやっていけたらと思う」